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愛しい彼女  作者:
6/7

僕から見た彼女の短大時代

短大時代の話です。

彼女は高校卒義時に散々悩んだ挙げ句短大に行くことにしました。短大では特に問題はなかったので短大の事は語りません。ですが、彼女が短大の時も親は(恐らく無自覚且つ悪いことだとは思わずに)更に彼女を苦しませていました。


まず妹、妹は親に甘やかされていたのか、それとも口が達者だからなのかテスト勉強とかしないで、悪い点数を取っても親に怒られることはありませんでした。それでも妹も母親の気に触ることがあるとトイレに頭をぶつけさせられました。彼女はそんな妹をただ慰めることしか出来ませんでした。またある時は夜、寒い時に家の外に連れていかれ玄関の鍵を閉められるということもされていました。この時は彼女の部屋は玄関の隣でしたので、母親が遠ざかった後、窓を開け妹を部屋の中に入れて泣いてる妹を慰めることしか出来ませんでした。

とはいっても血は繋がっていても別の人間。性格が正反対でお互い姉妹でなければ関わることはなかったと言われ、それに母親も同調していました。それでも彼女は妹を嫌いになれませんでした。では、妹の事が好きかというとそうでもなくただ守らないといけないそう思っていました。


次は養父です。彼女の手の震えの事はわかってはいる筈なのですが、熱いスープが並々に注がれたものを震えながら慎重にゆっくりと持っていっている姿を見て、イライラしたのかよく母親に愚痴を言ったり直接、威圧的な態度で不満をぶちまけることがありました。彼女は自分の意見を言おうとすると何故か涙が出てしまう体でしたので、それを見て更にイライラして泣けばいいと思ってるのかと更に追撃をする事がよくありました。

彼女は好きで泣いているわけではありません。ですが、何故か涙が出てしまうのです。


最後に母親です。母親は彼女の話を最後まで聞こうとはせず、話してる最中に自分の話に持っていき、甘えるな。お前より大変なやついる。悲撃のヒロイン気取りかと言ったりしていました。勿論、自分より大変な人がいることは知ってましたし、悲撃のヒロインだとは思ってはいませんでしたが、話を聞いては貰えませんでした。

彼女が短大卒業間近になっても障がい者という事で中々仕事が見つからずにいて、早く仕事見つけろ、それか足を開いて稼いでろと言っていました。当時、足を開いて稼ぐの意味はわかりませんでしたが、社会人になりとあるお店の存在を知りそこで働けという意味だったのかと理解しました。

それはさておき、毎日怒鳴られてばかりの日々でメンタルに限界が来た彼女は成人式の日解離性運動障害で倒れてしまいました。

個室で誰も訪れないまま何時間か経ち、仕事から帰ってきた母親が何、床で寝た振りしてんだ!起きろと激しく揺さぶりながら怒鳴ってました。そして彼女の足に触れ、何でこいつこんなに足冷たいのと持ち上げそのまま離しました。寝た振りを続けてると思った母親は養父を連れてきて、彼女を起こさせようとしましたが、養父がこれは可笑しいと思い彼女の体に毛布と布団を被せ、救急車を呼ぶようにいいました。

こうして病院に運ばれて漸く解離性運動障害だと医師から説明され、その後一ヶ月彼女は自力では立てず、杖を使って移動してました。

解離性運動障害とはストレスやトラウマが原因で、自分の意思とは関係なく手足が動かせなくなったり、声が出なくなったり、体をうまく動かせなくなったりする心身の症状です。脳や身体の病気がないにもかかわらず、様々な運動機能の異常が現れるのが特徴で、ストレスから心を防御するための無意識的な防衛機制として起こるものです。

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