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愛しい彼女  作者:
3/7

俺から見た彼女の小学生時代

小学生になりました。

彼女が小学生になって学校に行くようになると、初めて同じ地域に住む同年代の子と話したり遊ぶ様になった。彼女の同学年が20人未満という程、少子高齢化が進んだ地域で産まれ育ったもんだから、めったに同年代の子と会うことはなかった。


そこで彼女は初めて知った。自分の体は皆とは違うんだなって。他の皆は定規を使うと真っ直ぐに線を引けるのに自分は引けない。皆が普通に持ち上げることが出来るものが持ち上げられない。唯一の良かった点は同学年でのいじめや悪口をやられたり言われたりしなかった事だったと俺は思う。

彼女は特別扱いとかはされずに周りの子と同じ様に勉強や体育を受けたりしてたし、きちんと、給食を運んだり掃除をしていた。

だけど、彼女の一つ歳上のいじめっ子の男達が、彼女の事を閉じ込めようとしたり、靴を隠したりした。

幸い、いじめっ子達が塞いでたドアの反対側からすぐに出たり、靴は綺麗なままですぐ見つかったりと被害を被ることはなかったが、それが駄目ならと彼女の悪口を言い始めた。だけど、彼女は悲しいとかそういう気持ちよりも入学した時は何時でも頼っていいからなと言ってくれたお兄ちゃん達が何でそんなことをするのか不思議だという気持ちしかなかった。


あと、彼女は同年代の子と比べて静かなタイプの子供だったと思う。朝は教室にある本を読み(主にハリー・ポッターの本)、昼休みになると必ず図書室に行きそこにある漫画や小説を読む等、外で遊ぶよりも本を読んでいる方が楽しく感じてた。だから先生達も周りの子供も彼女は本が好きだと認識していた。


彼女が通ってた小学校には運動会の他にマラソン大会もあり、学年ごとに走る距離が変わる。中学年と呼ばれる学年になると、先生から低学年の子と同じ距離を走るか?と聞かれたこともあったが、彼女は皆と同じ距離を走ると言って、息を切らし、胸がいたくなりながらも完走した。それから彼女にマラソン大会で低学年の距離を走るかと聞かれることは無くなり、周りの皆と同じ扱いをしてもらっていた。まあ、毎回最下位だったが。


それじゃあ次は学校生活ではなく、家での話をしよう。

彼女は家ではゲームや家にある本、ビデオを観て過ごしていた。テレビを観ていたらよく母親と叔母に下の冷蔵庫から自分達のアイスを持ってきてと言われ反論することもなく持ってきて渡し、またテレビを観るということをしていた。

何で反論しなかったかって?彼女は母親に何か意見を言うと叩かれたり、怒鳴られていて怖い思いをしていたから何も言わなかった。

例えば、彼女が家の中で歩いてると足音が五月蝿いと怒鳴られ、次の日からはなるべく足音を立てないで歩くようにしたり、笑い声が五月蝿いと怒鳴られたら笑う時に声を出さないようにしたり、あと、泣き声も五月蝿いと言われたから声を出して泣くこともなかった。

学校から出された宿題やテストの件についても色々口を出されたりはしていた。端から見れば一般家庭でもあることだと思うが、例えば、夏休みの宿題。先生から自主練ノートに一日一ページでいいから自主練勉強する事と言われても、あんたは人より頭が悪いんだから一日三ページ自主練勉強しなさいと言われ、それを破ると頭を叩かれたり、トイレに頭を叩きつけられたりした。幸い怪我はなかったが、俺はこれはやりすぎだと思った。きちんと先生から言われたことはしてる。だけど、頭が悪いからと勝手にノルマを増やされ、逆らうとすぐに暴力を震う。いくら彼女がよく何もないところで転んで痛いのを経験していたとしても痛いものは痛い。

でも、やめてと言うと余計叩かれるから何も言わずただ泣いてるだけだった。その光景を他の大人が見ても彼女が悪いんだから叩かれても仕方無いと何もする事はなかった。

たまに車で買い物してる時あんたが言うこと聞かないなら、すぐそこに孤児院があるからそこに置いてくからね。と言ってもそれを諌める事もなくむしろそれを利用して言うこと聞かないと駄目だぞと言っていたりした。


テストに関しては彼女は漢字を読むことは出来ても書くことは出来なかった。ある日、漢字のテストがあると言ったら100点取らないと遊びに連れていかないからねと言われ、一問だけ間違えて100点取れなくて泣いていても慰めることはせず、再度同じテストをしたら何とか100点取れたので遊びに連れてはもらえたが、記憶に残ってないことから察するに楽しいとは思わなかったんだろうなと、大人になった今そう考えることがある。


あと、母親がデキ婚した。彼女の時もデキ婚してすぐ別れたのにまたデキ婚かと大人になった今は凄く呆れていた。

でも、当時の彼女は妹が出来て嬉しかったからお世話をしたがってた。といってもミルクを飲ませることしか出来なかったけどな。


これが、彼女が小学生時代に印象に残ってる記憶。

この調子で、ほぼ全ての話が長くなると思いますが、最後までお付き合い頂けると幸いです。

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