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元勇者、冒険者として第二の人生を歩む

作者:橘ユウマ
焦土と化した大地を越え、死者が眠る静寂の丘を越えて、視線は一つの存在へと引き寄せられていく。
大地に伏した黒き獣の骸――その傍らで、細く揺れる焚き火の灯がひとつ。

そこに、誰かが座っていた。

白銀の髪が、風にほどける。
焔に照らされ顔に浮かぶ聖痕が見えた。

その姿は、まさに神の寵愛を受けた者の証。
だが、その美しさはどこまでも冷たく、どこまでも孤独だった。

――世界がこの男を「勇者」と呼ぶのなら、それは皮肉でしかない。

「……定められた使命? そんなもの、くそくらえだ」

彼の呟きには、怒りも激情もない。ただ、揺るぎない拒絶の響きだけが残る。
人々の期待も、祈りも、希望も――彼には届かない。
いや、届くよりも前に、自らの手で捨て去ったのだ。

火の粉が静かに舞うなか、焚き火の光に照らされたその横顔には、まだ少年の面影がわずかに残る。
けれど、血と灰にまみれた旅の跡が、深く刻まれていた。

風が世界を貫き、空は音もなく闇に沈んでいく。

それでも彼は立ち上がらない。
世界が彼に祈りを向けようとも、神がどんな加護を与えようとも――

彼はただ、自らの意志で歩むことを選んだ。

――これは、神に選ばれし「勇者」が、神に背を向けた物語。
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エピソード 101 ~ 119 を表示中
#101
2025/07/17 21:19
#102
2025/07/18 22:47
#103
2025/07/19 21:52
#104
2025/07/20 22:06
#105
2025/07/21 22:02
#106
2025/07/22 22:20
夜の国
#107
2025/07/23 22:33
#108
2025/07/24 22:16
#109
2025/07/25 22:01
#110
2025/07/26 22:22
#111
2025/07/27 22:13
#112
2025/07/28 22:19
#113
2025/07/29 21:50
#114
2025/07/30 21:47
#115
2025/07/31 22:11
#116
2025/08/01 22:31
#117
2025/08/02 22:42
#118
2025/08/03 22:15
#119
2025/08/04 22:48
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