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【第2巻発売中】引きこもりVTuberは伝えたい  作者: めぐすり
第一章 ーThe Show Must Go Onー
22/218

第22話 閑話 髪……伸ばしてみるね

特典的な小話なのでかなり短いです。

 真宵アリスの収益化配信が終わってから一日が経った。

 色々なことが去来して、言いたかったことをぶちまけて、楽しんで。

 最後はメチャクチャだったけど、控えめに言って大成功だった。


「朝ごはんできたし、早くねこ姉起こさなきゃ」


 自分の人生の一区切り。

 そんな次の日の朝も日常の地続きでしかない。

 なにも変わらない朝。

 でも気分だけは少し晴れやかになれる朝だ。

 高級品のベーコンでベーコンエッグを作ってしまった。冷めてしまってはもったいない。

 けれどそれは杞憂に終わった。香りに釣られたのかねこ姉の部屋の戸が開く音がした。ベーコンの香りがねこ姉の目覚まし代わりになってくれたようだ。

 さすが高級品。少し感動した。


「うたちゃん。おはようございます」 

「ねこ姉。おはようございます」


 ねこ姉はあまり朝に強くはない。

 眠気眼でカクンと頭を下げて挨拶してきた。

 まだかなり眠そうである。


「……うたちゃん髪伸びてきたね。そろそろ切る?」

「髪?」


 そう言えばVTuberデビューしてから一ヶ月。ずっと切っていない。

 少しだけ伸びてきただろうか。美容院に出かける勇気もないので、この一年ねこ姉に切ってもらっていたのだが。


「いいや。少し伸ばしてみようと思っているから」

「そっか。……そっか」


 ねこ姉が噛みしめるように二回言った。

 笑っている。

 機嫌が良さそうだ。

 ショートカットにしていたのは中学生のときに痴漢にあったから。

 長い髪が苦手になった。臭いヅラの襲撃を受けたから。それもあるが女の子らしい髪型への忌避感もあったのかもしれない。

 だがそれもどうでもよくなった。


 緩やかに。

 確実に。

 収益化配信から私の時間が動き出している。

 あまり過去にとらわれなくてもいいだろう。


「ねこ姉。早く席について食べよ。今日はちょっとお高いベーコンエッグだよ」

「美味しそう。さっきからいい匂いしてた」


 大事なのは今なのだから。




ここから真宵アリスというか結家詠は作中時間に沿って髪を伸ばしていきます。

止まっていた時間が動き出したので。


5月からは第二章を毎日1話ずつ投稿。

虹色ボイス事務所の事情や同じ事務所の仲間などが一気に登場していきます。

ようやく物語が動き出す本番ですね。


これからも『引きこもりVTuberは伝えたい』を末永くよろしくお願いします


この作品は毎日1話ずつ投稿。

毎朝7時頃に公開予定なので通勤通学などのお供にぜひ。

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