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【第2巻発売中】引きこもりVTuberは伝えたい  作者: めぐすり
第六章ーThis is my life, This is my story.ー
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【閑話】聖アリスさんデー記念配信②

真宵アリス:「湯煎のお湯の温度は約五十度で、温度を上げすぎないように。また熱伝導をよくするために小型のボールを用いて、小分けにして手早くチョコレートを溶かす。焦らず丁寧に」


桜色セツナ:「五十度で、小型のボールで手早く溶かす。湯煎って言う割に温度が低いんですね」


真宵アリス:「チョコレートが溶ければいいからね。溶けるならば五十度を下回ってもいいくらい。超えるのは絶対にダメ」


桜色セツナ:「先ほどのファットブルーム現象ですね」


真宵アリス:「うん。お菓子作りは分量と温度調整が全てだから。手作りチョコレートが失敗するのはほとんどこの溶かす工程が理由。湯煎と聞いて沸騰した直後のお湯を用いて温度を上げすぎる。または大量のチョコレートを一気に溶かそうと、大きめのボールを使用する。量が多いと当然溶けにくい。焦れて温度を上げたり、湯煎のお湯を追加しようとしてチョコに水が混ざっちゃったりして、全部台無しになる」


桜色セツナ:「料理は科学! そう聞きますけど本当だと実感します」


黄楓ヴァニラ:「アリスちゃんダークチョコレートと、ノーマルとホワイトチョコレートのミックスはこっちでやっておくね」


真宵アリス:「ヴァニラ先輩ありがとうございます!」


リズ姉:「えーと私はこの生食可能のドライフルーツやフリーズドライのいちごとかを刻んでおけばいいのよね」


真宵アリス:「はい。本日はすぐに食べる予定なので製菓用でなくて生食用で大丈夫です」


:湯煎って沸騰させた直後のお湯じゃダメなんだ

:セツにゃんが生徒役というアシスタントを務めてる

:本物の料理番組みたい

:こいつら手際いいな

:菓子作りが得意なヴァニラと諸々便利なリズ姉だから

:諸々便利なリズ姉w

:運動神経だけは死んでいるけどな


真宵アリス:「チョコレートが滑らかに溶けたら、生クリームや無塩バターや砂糖を加えてチョコレートガナッシュを作るんだけど、本日はシンプルに生クリームのみ。味のバリエーションはチョコレートの組み合わせで作る」


桜色セツナ:「チョコレートガナッシュ? 生チョコレートとは違うんですか?」


真宵アリス:「同じ物だよ。生チョコレートという呼び方が、食べやすく硬めに作ったガナッシュをココアパウダーや粉砂糖でコーティングしたものの俗称だから」


桜色セツナ:「同じ物……つまり溶かしたチョコレートに生クリーム加えて固めればほぼ完成?」


真宵アリス:「そう。でも人によってはこのガナッシュを作るときが一番の難関。こうやって生クリームを馴染ませて。はいセツにゃん」


桜色セツナ:「あむ。……美味しい! このガナッシュ? 凄く美味しいです。チョコレートの味も生クリームの風味も華やかで!」


真宵アリス:「うん。良い材料を揃えて、適切に溶かして混ぜ合わせる。これが一番美味しい。それこそ製菓店で売っているものに負けないくらい。だからつまみ食いして、材料を全て食べちゃったなんてことも起こりえる」


桜色セツナ:「漫画とかでたまにありますよね。あれはただの食いしん坊アピールじゃなかったんだ」


黄楓ヴァニラ:「そうなのよ! この作りたてのガナッシュが一番美味しいの! フィクションだとつまみ食いのネタにされがちだけど。そんなわけで二人とも、はい。甘くてミルキーなホワイトチョコレートとのミックスガナッシュと、少し大人なビターガナッシュ」


真宵アリス:「あむ。……うん完璧。さすがはお高いチョコレートなだけのことはある」


桜色セツナ:「ん~こっちも美味しい。そしてヴァニラ先輩早い!」


黄楓ヴァニラ:「お菓子作りは私の趣味だからね。料理でアリスちゃんばかりに負担かけていられないし」


リズ姉:「あっ! ズルい私も!」


桜色セツナ:「はいリズ姉。あ〜ん」


真宵アリス:「つまみ食いは手作りの特権。だけど食べ過ぎには注意」


:こう見ると簡単に聞こえるな

:要点抑えてくれて助かる

:簡単そうに見えて温度管理しっかりしないといけないし手早くやらないといけない奴

:作りたてのガナッシュ美味しそう

:裏でヴァニラが二種類作ってた

:この面子……虹色ボイス女子力最強の布陣?

:一人も含まれてない一期生

:つまみ食いは特権w

:ここまでキレイな女子会配信を初めて見たかも


真宵アリス:「ガナッシュが完成したら、リズ姉たこ焼き器プレートの準備お願いします」


桜色セツナ:「たこ焼き器プレート!?」


リズ姉:「アリスちゃんその呼び方気に入ったんだ」


真宵アリス:「一度そう言われたらそうとしか見えなくて……こほん。トリュフチョコレートの型取りには市販のプラスチックの型を使います。形は球体状の穴が綺麗に並んでいるたこ焼き器です。トリュフチョコレートを大量生産したいなら必須です」


黄楓ヴァニラ:「わかりやすいけど、その説明されるともう本当にたこ焼き器にしか見えない」


真宵アリス:「この型に粉砂糖を厚めに振って、穴にガナッシュを詰めて、冷やして固めると生チョコトリュフは完成します」


黄楓ヴァニラ:「ホワイトチョコレートとのミックスは甘めだから味のバランスを考えてココアパウダーや抹茶パウダーを振るのもありです」


リズ姉:「このビターなダークチョコレートのガナッシュは酸味と苦味が強いので、固まる前に味のアクセントにドライフルーツを埋めていきます。……でいいのよね?」


真宵アリス:「はい。たこ焼きのタコのように埋めていきます」


リズ姉:「ぷっ……アリスちゃんやめて。本当にたこ焼き作っている気分になるから」


真宵アリス:「ちなみに私は柑橘系の皮を甘く煮詰めたオレンジピール入りが好きです」


:たこ焼き器!?

:たこ焼き器だな

:もう黒いたこ焼きを作っているようにしか見えなくなった

:意外と簡単にできるんだな

:シンプルで一番美味しいって言っていた通り

:言うは易く行うは難し

:簡単そうに見えるのはちゃんと基本に忠実だから

:それに作り慣れているヴァニラがいるのが大きい

:だな……いつの間にかホワイトとのミックスやビター作っているし

:すでに三種類できているんだよな

:なにごとも正しく役割分担ができているとラクに見える

:一人だと作業に追われてミスるか


真宵アリス:「それではセツにゃんとリズ姉。生チョコトリュフ三種の量産お願いします」


桜色セツナ:「はい任されました!」


リズ姉:「今日って生チョコトリュフ以外にあと二種類あるんだっけ?」


真宵アリス:「はい。一つはチョコレートリカー……お酒なので私は関わりませんけど、少し変わった焼き菓子も用意します」


黄楓ヴァニラ:「チョコレートのお酒のレシピはカレンから預かっているわ」


真宵アリス:「それではリズ姉に切ってもらったドライフルーツを半分もらっていきますね」


リズ姉:「なるほど。そっちでも使うからあんなにドライフルーツが用意されていたんだ」


真宵アリス:「次はメキシコ料理の『モーレ』風のチョコレートを作っていきます」


お読みいただきありがとうございます。


毎日1話 朝7時頃更新です。

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