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【第2巻発売中】引きこもりVTuberは伝えたい  作者: めぐすり
第六章ーThis is my life, This is my story.ー
212/218

真宵アリスのノベライズ小説発売記念公式配信

2023/12/15に電撃の新文芸より発売した第一巻の記念閑話

 虹色ボイス事務所に所属するVTuberの物語をノベライズする。

 そんな企画が持ち上がり、栄えある第一弾に選ばれたのは三期生の真宵アリスだった。

 こうなると俄然やる気を出すのは真宵アリス……ではなく、当然のように桜色セツナなわけで。

 張本人である真宵アリスが『どうして私が? まず先輩方では?』と首を傾げている間に、ノベライズ企画の話が桜色セツナ主導で進められてしまった。


『もういい! アリスさんの話は私が書く!』

『セツにゃん多忙だから無理でしょ!?』


 などというやり取りの末、ついに書籍発売の日となろうとしていた。

 今宵の虹色ボイス公式配信ではノベライズの宣伝が行われるわけだが。

 すでに真宵アリスは疲れている。


桜色セツナ:「皆様おはようございます。桜色に輝く今を大切にしたい桜色セツナと」


真宵アリス:「やる気は少し損耗中。お仕事モード起動中。皆様おはようございます。世界に叛逆するためにノベライズしてしまった書籍型駄メイドロボ真宵アリスです」


桜色セツナ:「今宵はアリスさんのノベライズ本の宣伝です。皆様もうご予約はお済みですか?」


:ノベライズ化おめでとう!

:目指せ漫画か!

:楽曲のノベライズとかVTuberの漫画とかあるからな

:アリスすでにやる気損耗してるw

:意気込みが凄いからな……セツにゃんの

:真宵アリスのノベライズ化なのに

:真宵アリスのノベライズ化だからだろ

:自分のグッズ販売に消極的な真宵アリスとなぜか全権を握っているセツにゃん

:予約した!


桜色セツナ:「すでに予約済みの方いるみたいですね。本当にありがとうございます」


真宵アリス:「えっ!? 本当に買ってくれる人がいるんだ。私からもありがとうございます」


桜色セツナ:「それでは発売される真宵アリスノベライズ本。アリスさんと私のラブストーリーですが」


真宵アリス:「えっ!? ラブストーリーなの!?」


桜色セツナ:「残念なことに一巻には私の出番はほとんどありません! このときはまだ氷室さくらを引きずっているダメダメ時代ですからね。カットですカット! 本当ならば載せなくてもよかったくらいです」


真宵アリス:「良くないよ!? あの頃から色々とお話したよね。当時のセツにゃんは確かにおとなしかったけど」


桜色セツナ:「けれど安心してください! あの伝説のデビュー配信からあの伝説の収益化配信まで、ほぼ純度百パーセントの真宵アリスの物語がノベライズ本第一巻です!」


真宵アリス:「伝説って大げさな」


桜色セツナ:「大げさではありませんよ。同期である私達三期生を奮起させたデビュー配信は、リスナーも惹きつけて三期生全体を飛躍させた。収益化配信では多くの初見さんを語りで魅了し、三期生だけではなく一期生二期生の心も一つにした。現在の虹色ボイス事務所は、アリスさんの存在なくして語れません。このことはアリスさんでも異論も認めません!」


真宵アリス:「……異論も認めてもらえないんだ」


桜色セツナ:「認めません。だって私はあのときの真宵アリスに理想を見たんです。隣に立つ夢を抱いたんです。今も抱き続けているんです。この想いはアリスさんであっても譲れません」


真宵アリス:「そっか。……今見返すとまだまだ未熟で拙いところばかり。個人的には不安だったけど、誰かの夢になっているのだったら否定しちゃいけないよね」


桜色セツナ:「はい! そんなわけで第一巻はほぼ純度百パーセントのアリスさんでお届けです! 楽しんでもらえると嬉しいです」


:ラブストーリーwww

:アリスとセツにゃんのラブストーリーだったのかw

:これは買わないと

:セツにゃん出てないの?

:収益化配信前だと確かにセツにゃんの出番ないよな

:三期生は個人を磨く時期だったし

:桜色セツナもセツにゃんに覚醒する前だし

:伝説だな

:本当に真宵アリスがいないと今の虹色ボイスは語れない

:三期生のデビュー時期は虹色ボイス事務所の暗黒時代だし

:確かに伝説すぎる

:真宵アリスはセツにゃんの理想になったからな

:他人の夢を否定したらダメ


真宵アリス:「でも本当に私でよかったのかな。一期生二期生の先輩達を差し置いて私がノベライズなんて。三期生の誰かにするとしても、間違いなく子役時代のあるセツにゃんだよね」


桜色セツナ:「私は途中で事務所移籍したので子役時代の話はダメです」


真宵アリス:「そんな大人の事情だった!?」


桜色セツナ:「冗談です。でも今回のノベライズはアリスさんでないとダメですからね」


真宵アリス:「私でないとダメ?」


桜色セツナ:「なぜならばデビュー当時のアリスさんは、VTuberにもこの業界にも憧れていなかった。性格を考えればVTuberデビューを絶対にしない人ですよね」


真宵アリス:「それはそう。だけど私でなければいけない理由になってないよ?」


桜色セツナ:「憧れから始まる物語には、ちゃんと憧れるきっかけがある。VTuber自体がまだ歴史が浅いですからね。純粋なVTuberの物語になりにくいんです。私だって最初は声優に憧れていましたし」


真宵アリス:「セツにゃんはそうだったね。でも私のデビューの動機はあまり褒められたものではないと思うけど」


桜色セツナ:「かもしれません。けれど今は違いますよね。ゼロから……いえマイナスから始めて、VTuberがアリスさんの夢になった。居場所になった。真宵アリスというVTuberが私を含めて誰かの夢になった。だからノベライズする価値があるんです。誰かの憧れた物語ではない。VTuberになるための物語としての価値が」


真宵アリス:「……VTuberになるための物語」


桜色セツナ:「それに人気ですからね。強大な力を前に自分の無力さに嘆き、トラウマを背負った主人公が手段を選ばす立ち上がる話。つまり第一巻は『真宵アリス −1.0』です」


真宵アリス:「被せた! 歴史あるシリーズの最新作に露骨なほどすり寄ったよね!?」


桜色セツナ:「第一巻が売れたら続巻。始まるのは登場人物が増え、大人の陰謀が渦巻き、緊迫の会議シーンもある『シン・真宵アリス』です」


真宵アリス:「もうすり寄りを隠そうとしてない!?」


桜色セツナ:「私の出番も増えますからね『シン・真宵アリス』は。見どころは、そっと寄り添い手助けする仲間との絆と、いろいろな意味で大きな背中を見せてくれる大人達です」


真宵アリス:「あっているね。……あってるね。皆のためにも続いてほしい」


:一期生も二期生も本にできるエピソードはあるな

:セツにゃんのノベライズは子役業界の裏話になりそうw

:大人の事情www

:VTuberになるための物語か

:確かに真宵アリスはマイナススタートだな

:ガチの引きこもりだからな

:真宵アリス −1.0www

:シン・真宵アリスに続くのかw

:続いてほしいw


桜色セツナ:「そういえば第一巻には書店購入特典のショートストーリーがあるんですよね」


真宵アリス:「アニメイト、ゲーマーズ、メロンブックスさんだね」


桜色セツナ:「残念なことに私も目を通させていただいていないのですけど、どんな話なんですか? 三冊とも店頭で買う予定ですけど」


真宵アリス:「セツにゃんが買うの!?」


桜色セツナ:「もちろん買います。アリスさんグッズは欠かさず購入します!」


真宵アリス:「そうなんだ。でも書店購入特典のショートストーリーはあれだよ。私がVTuberデビューする前のねこ姉との交流を書いた普通の日常の話だよ? 特典だし、内容は語れないけど」


桜色セツナ:「あのアリスさんの日常はたいがい奇想天外な気がしますけど」


真宵アリス:「そんなことないよ?」


桜色セツナ:「試しに最近ハマっていることとかありますか?」


真宵アリス:「今はビリヤニ作りかな」


桜色セツナ:「すでに一般と乖離しましたね。ビリヤニはインドの炊き込みご飯でしたよね」


真宵アリス:「うーんそう言われているけど実際はちょっと違うかな。あっているけど間違っているというか。そのイメージだと美味しくならないから」


桜色セツナ:「美味しくならない?」


真宵アリス:「セツにゃんはジャポニカ米とインディカ米。短粒品種と長粒品種ってわかる?」


桜色セツナ:「一応は知ってはいます」


真宵アリス:「お米ふっくら炊き上げる調理法である炊き込みは、デンプン質の多くて粘り気のあるジャポニカ米の調理法なんだよね。ビリヤニはインディカ米などで作る料理だから、ただ炊き込みご飯にしても美味しくならないの。だからインドの炊き込みご飯だとミスリードされる」


桜色セツナ:「なるほど。さすがアリスさん詳しい」


真宵アリス:「だから鳥の旨みを染み込ませて、ガラムマサラで味を調整したパエリアだと思って作ると美味しくなる」


桜色セツナ:「パエリアですか!? スペイン料理の」


真宵アリス:「うんパエリア。お米の煮込み焼き料理といえばいいのかな?」


桜色セツナ:「そう聞くと味もイメージしやすいかも。でもインディカ米なんてよく手に入りますね」


真宵アリス:「インディカ米がないなら、百グラムのスパゲティの乾麺を束のまま飛び散らないようにゆっくりと切るの。一センチから二センチくらいかな。それでインディカ米やリゾーネの代用品にはなるから」


桜色セツナ:「そんな代用方法まで!?」


真宵アリス:「ビリヤニもパエリアもねこ姉達には好評だよ。ワインにも合うって」


桜色セツナ:「……羨ましい。アリスさんの日常を聞いているとお腹が空いてきました。またアリスさんの家にお泊りしたいです」


真宵アリス:「別にいいけど」


桜色セツナ:「やった! 絶対に約束ですよ!」


:書店購入特典だと!?

:ねこ姉との日常か

:真宵アリスの日常はたいがい奇想天外w

:そして唐突に始まる飯テロ

:ビリヤニ家で作るなw

:腹が減ってきた

:短粒品種と長粒品種

:そっかスパゲティを切るのか

:さらりと家でパエリアも作ってる

:有能すぎる駄メイドロボ降臨

:この流れからセツにゃんのお泊り企画がw


桜色セツナ:「えーと話がそれましたけど、本日はアリスさんのノベライズの話です」


真宵アリス:「電撃の新文芸様から2023/12/15の金曜日に発売です」


真宵アリス・桜色セツナ:「「引きこもり少女が主人公になるための物語。『引きこもりVTuberは伝えたい』の第一巻をよろしくお願いします!」」


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書籍も買ってほしい(切実)

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