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それから時が過ぎた。
僕は、ある時を境に一切、小説を書かなくなった。
介護職員として再就職する。
そこで、同じフロアの女性介護職員と仲良くなっていった。名を町子と言った。
休みの日は、町子さんとデートするようになり、入籍まで、それは早かった。
僕らがひかれあっていたことに違いはないが互いに、結婚願望も強かった。
僕の狭いアパートで二人暮らしを始める。
そして、
ある時、町子さんに、
「来年は三人暮らしになるよ♪」と言われる。
僕には、その意味が分かっていた。
時は過ぎていく…。
彼女が産休に入ってアパートに長時間いる日が多くなった時、
僕は、その日、過度のストレスに見舞われた。
デイサービス利用者、俊子さんが、
昼くらいから、早く家に帰りたいと騒ぎ出した。
たまに、あることで「もうじき帰れますから、テレビを見たり、折り紙をしましょう♪」と促すと、
夕方まで落ち着いてくれるのが、ほとんどであった。
しかし、今日は俊子さんは終始、ご機嫌斜めで、
僕はリーダーに「俊子さんと園内を回ってきてくれ。」を言われ俊子さんと、そうした。
しかし、俊子さんは帰り際まで不機嫌であった…。
僕は帰宅する前に馴染みのホビーショップに行った。
様々なジオラマや、プラモデルがショーケースに飾られていた。それは、不定期に入れ替わる。
僕は、それを眺めるのが好きだった。
『今月の一番星賞』は、ズコックだった。
(…このペイティングは、神や……(;´Д`)ハァハァ)
僕は、しばし見ていたが、
いつも置いてあるプレミアム棚に自然と足が向かう。
『ワルサーP38』が、そこにあった。
税抜き38000円…消費税が3800円だから、
購入すると四万を越えていた。
通いつめていた、ある時、店主に僕は聞こうとした。
「あのワルサー…」
店主は僕が、しゃべり終わらないうちに言った。
「あれ、モデルガンじゃないよ~♪ライターなんよ。」
「そうなんですか!!」
今はもう、そんな、やり取りが何だか遥か遠い昔のように思えた。
本日、僕は、それから店内をグルリと回り、外に出ようとした時、
僕の口から「…また、来るから♪」と言葉が出た。
僕は、それに己自身が戸惑ったが自宅へと足早に向かった…。
仕事から寄り道し、帰ってきた僕は、
「ただいま~♪」と開いていた玄関にドタドタ入ったが、
返事がない。
部屋の灯りはついていて、
僕は町子さんに何かあったのではないか…!?
と、
急ぎ足で部屋に入ると、
彼女は原稿用紙を手に持ち、ソファーに座っていた。
そして、僕の顔を見て言う。
「貴方、冬山だけは止めてね…。」と。