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(奴は、己を『長編小説の悪魔』だと言った……悪魔が人を救うことがあるのか……?)
今、書きかけの小説を実は長く書こうと思っていて、それには『テーマ』があった。
過ぎたるは猶及ばざるが如し、であった。
それを『テーマ』として長編小説を僕は書きたかった。
親切も度を越すと、その人のためにならない…
見た目の美しさも行きすぎるとグロテスクになる…
そんなことを延々と書こうとしていた。
僕は歯を磨き、顔を洗うと、
久しぶりにジーンズを履き、
ジャンパーを羽織ると、履きなれた靴でアパートを出た。
まだ、昼前で久しぶりに外食しよう、と僕は最寄りの駅に向かって歩き出した。