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【揺花草子。】(日刊版:2023年)  作者: 篠木雪平
2023年10月
281/363

【揺花草子。】[#4274] 色の心理学。

Bさん「UI/UX の話。」

Aさん「んん、おぉ。」

Cさん「と言うよりデザイン全般かもね。」

Aさん「だいぶ広い話ですね。」

Bさん「あのね、種々様々なアプリや Web システムなんかを例にとるけど、

    ユーザーに対してしばしばメッセージを表示する事がありますね。」

Aさん「んん。」

Cさん「端的に言うとメッセージボックスのような UI ね。」

Aさん「ふむふむ。意識せず1日に何度も見ていますよね。」

Bさん「『今日は○○さんの誕生日です!

     あなたの唯一のお友達なんですからメッセージを送りましょう!』

    みたいな単に情報を示すだけのメッセージのほか、

    Yes/No の判断を求めるもの、続行して良いか確認をするものなど

    色んなメッセージがあります。」

Aさん「唯一の友達とかそんなメッセージ余計なお世話だけどな。」

Bさん「ほか、破壊的な結果をもたらす操作の前の

    確認・警告メッセージなどもある。」

Aさん「破壊的な。」

Cさん「具体的に言うと

    『セーブをせずにゲームを終了してよろしいですか?』とか

    『表示しようとしているサイトはフィッシングの恐れがあります』とか

    『OKをクリックすると法に触れますがよろしいですか?』とかね。」

Aさん「それは OK を押す選択肢はないのでは?」

Bさん「こう言う警告の類のメッセージは、

    ダイアログボックスだったりメッセージテキストそのものだったり

    あるいは確定するボタンであったりなどが、

    赤系統の配色になっている事が大半だと思います。」

Aさん「うん、そうだね。」

Cさん「これは UX 的文脈で言えば

    『何か注意を引くべき要素には赤い配色を用いる』

    と言う事になるわ。」

Aさん「そうですね。」

Bさん「まあ端的に言えば『赤』=『警戒色』と言うわけです。

    この配色は別にアプリや Web システムに限った話じゃなく、

    消防車であったり消火栓であったり、『止まれ』の標識であったり、

    郵便ポスト・・・は意味合いが違うけど、

    まあなんにせよ注意を引きたい箇所で普遍的に使用される色です。」

Aさん「うん、そうだね。」

Cさん「どうして赤なのか分かる?」

Aさん「どうしてって・・・青とか黄色とか黒とか白とかじゃなく

    何故赤が警戒色とされているかと言う事ですかね?

    だとするとあれですよね、赤は人の心理的に興奮を促すからとか。」

Bさん「その通り。

    あくまで一般論として、青は人を落ち着ける効果が、

    赤は興奮を招く効果があるとされている。

    じゃあ何故人は赤を観て興奮するのか?」

Aさん「えっと・・・それは、あれじゃないかな、

    血液の色に由来しているんじゃないかな。」

Cさん「そう言われているわね。」

Bさん「警戒色=血液の色、と言う図式が成り立つとするなら、ですよ。」

Aさん「ん?」


Bさん「貴族の人にとっては青が、

    ナメック星人の皆さんにとっては紫が

    警戒色になると言う事になるよね。」

Aさん「なるかなあ!!???」


 となるとタコやイカも青が警戒色になりますね。

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