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【揺花草子。】(日刊版:2023年)  作者: 篠木雪平
2023年10月
274/363

【揺花草子。】[#4267] 生産。

Bさん「テッポウウオっているじゃないですか。」

Aさん「おぉ・・・んん?」

Cさん「聞いた事ない?」

Aさん「いや聞いた事はありますよ?

    あるけどそんな身近じゃないかなと。」

Bさん「まあぼくらもこの前 E テレで観ただけなんだけど。」

Aさん「相変わらずネタの引っ張って来かたが大概だもんなあ。」

Cさん「主に東南アジア辺りに生息していて、大きさは15~30cm程度、

    タイのように平べったい体が特徴ね。」

Aさん「ふむふむ。あまり大きな魚じゃないんですね。」

Bさん「そしてその名前の由来になっているのは彼らが持つ

    独特な狩猟技術の故だ。」

Aさん「狩猟技術と言うと大げさと言うか・・・

    いやでもまあそうか・・・。」

Cさん「どう言うものか分かる?」

Aさん「あれですよね、水の中から水面より上を飛ぶ虫に向かって

    口から勢いよく吐き出した水塊をぶつけて

    叩き落したやつを捕食するんですよね。」

Bさん「その通り。

    その口から放つ一撃がまるで鉄砲のようであるところから

    テッポウウオと呼ばれるわけだ。」

Aさん「んん。」

Cさん「中には 1m 以上も水を飛ばす事ができる個体もいるそうよ。」

Aさん「それはすごい。」

Bさん「それにしてもテッポウウオって言うネーミング。

    当然鉄砲のように水を放つところから来ているわけだけど。」

Aさん「ん、だろうね。」

Bさん「でも一般論として日本人が鉄砲を認識した最初は

    安土桃山時代の事だよね。

    それ以前は鉄砲と言う言葉は存在しなかったわけだ。」

Aさん「それは・・・まあ。」

Cさん「厳密には元寇の折に蒙古兵が用いた火薬武器が

    『てつはう』と呼ばれていて、漢字で書けば『鉄砲』だけど、

    これは今で言う手榴弾のような投擲武器だったわ。」

Aさん「なるほど。」

Bさん「どちらにせよものすごい勢いで塊を発射する事を鉄砲と例えて

    その連想からテッポウウオと名付けたと考えれば、

    そのタイミングは、どんなに遡れたとしても500年程度前までと言える。」

Aさん「まあ・・・そうなるが・・・。」

Cさん「しかしながらこのお魚が500年前に突然

    颯爽と生物界デビューしたわけでは当然ないわけよね。

    もう恐らくは何千年何万年も前からこの狩猟スタイルを貫いて

    連綿と命を繋いで来たわけよね。」

Aさん「それは・・・そうでしょうねえ。

    たった500年で生物が進化する事はないでしょうからね。」

Bさん「となると、500年前つまり鉄砲が世に生まれるよりさらに前、

    その頃このお魚はなんて呼ばれていたんだろう?」

Aさん「えー・・・うーん・・・。」


Bさん「ぼくはたぶんその頃はきっと

    『ライトボウガンウオ』と

    呼ばれてたんじゃないかと考えているんだ。」

Aさん「ライボって鉄砲より歴史古いの?」


 水属性かな?

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