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【揺花草子。】(日刊版:2023年)  作者: 篠木雪平
2023年09月
254/363

【揺花草子。】[#4246] あほたわけ。

Bさん「安さを売りにするお店ってあるじゃないですか。」

Aさん「え、100均とかそう言うやつ?」

Cさん「もちろんそう言うのもあるけど、スーパーなんかでも

    やけに安いお値段のついているお店とかあるわよね。」

Aさん「あぁ・・・。」

Bさん「一般論だけど、生産にかかる燃料や材料などのコストは

    この数年ずっと上昇傾向だよね。

    日本では人件費の抑制や生産効率の改善などで何とか価格上昇を

    頑張って押し留めようとする傾向が強いと思うけど、

    それが回りまわって勤め人の給与水準が上がらない理由の1つに

    なっているところはあると思う。」

Aさん「おぉ・・・経済の話かい? 難しい事言い出すねえ。」

Cさん「値上げを嫌う国民性と言うのはあると思うわ。

    これは恐らくそもそも変化を嫌気しがちと言う姿勢の故かもとか、

    妙な権利意識の強まりも理由のひとつかもね。」

Aさん「あぁ・・・

    『先月までは○○円だったのになんで急に値上げするんだ!』

    みたいな訳の分からないゴネ方をする人たちの事ですかね?」

Bさん「ま、安いものが好まれる理由はそもそも収入が不十分だと言うのは

    多少の相関があると思うんだよね。

    国民全員が石油王並みの収入があればみんな

    悪ほむちゃんを完凸まで回すでしょ。」

Aさん「石油王が全員『マギレコ』をプレイしてるわけじゃないんだよ?」

Bさん「で、安い方が売れるとなれば企業側も

    何とか値段を抑えるための努力をする。

    安いものには当然安いなりの理由があるわけで、

    検査や安全性の確認が十分ではない材料を使用するとか、

    完成精度の低さを許容するとか、

    あるいは生産に従事する人の人件費を削るなど・・・。」

Aさん「んん・・・。」

Cさん「消費者が安さを享受するその裏では

    誰かが割りを食っているのかも知れないわよね。

    もちろんそれが全てではないでしょうけども。」

Aさん「まあ・・・でもそう言う側面も拭えないところは

    ありますよね・・・。」

Bさん「そんなわけで、適正価格はこれぐらいではと思われるものが

    ある店舗ではえらい安い値段で提供されていたりする事がある。

    それはもちろんコピー品だったりどこかを妥協して値段を抑えてるとか

    そう言う事情はあるんだろうけれども、

    中にはぱっと見本来の価格の製品と較べても違いが分からないくらい

    よく出来たものもあったりして、これは非常に驚きです。」

Aさん「ほほう・・・。」


Bさん「『どうして激安』

    とか思っちゃうよね。」

Aさん「何その大河ドラマのタイトルみたいな感想?」


 選択を迫られる。

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