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【揺花草子。】(日刊版:2023年)  作者: 篠木雪平
2023年05月
144/363

【揺花草子。】[#4136] 受け入れがたい。

Bさん「自分自身の姿を見るために最も手軽な方法は

    鏡を使う事じゃないですか。」

Aさん「ん、まあ、そうだね。」

Cさん「阿部さんは普段鏡なんて見ないでしょ?」

Aさん「いやそんな事は・・・いや、まあ、そりゃそれほど

    見る方ではないかもですが・・・。」

Bさん「だから鼻毛が出てるのにも気付かないんだね。」

Aさん「えっ出てる!!?」

Cさん「違うわよ。出ているのは髄液よ。」

Aさん「ぼく鶴見中尉ですかね!!?」

Bさん「ま、とにかく鏡。

    自分の姿をありのままに映す・・・かと言えば、

    実際のところそうでもないと思う。」

Aさん「そうか? 鏡は基本的にありのままの自分を映すだろ?」

Cさん「やけに懐く犬を鏡に映してみたら美少女だったりするしね。」

Aさん「それは人と人とが出会う街の街角で繰り広げられる冒険譚ですね?」

Bさん「いや、実際の話さ。

    鏡って確かに自分の姿を映し出してくれるけれども、何と言うか、

    奥行きがないと言うか、立体物としては捉えられないですよね。」

Aさん「それは、そうだろう。

    何しろ鏡面と言う平面に投影している像なわけだから。」

Bさん「その通り。

    つまり確かに目には見えるしその姿形はまさに自分のものだけれども、

    それは実際のものとは有意に違いがあるわけ。

    例えば自分をすっかり完璧に象った等身大フィギュアがあったとして、

    そのフィギュアと鏡に映る平面の鏡像とでは、

    やっぱり情報量が違うってわけだよ。」

Aさん「情報量・・・まぁ・・・。」

Cさん「ブリジットの等身大フィギュアとか超欲しいとか内心考えたでしょ。

    良からぬ事に使おうとか考えてるでしょ。」

Aさん「考えてませんが!!?

    あなた何言ってくれてるんです!!?」

Bさん「それにその鏡像だって、鏡自体が若干歪んでるとか

    研磨の具合が足りてないとか表面が曇ってるとかで、

    必ずしも自分の姿をありのままに映しているとは言い切れない。」

Aさん「あぁ・・・精度の話か。それはまあ確かにそうなるけど。」

Cさん「二次元って事でただでさえ情報量がガクンと減ってるのに、

    その上工作精度や経年劣化等の影響を受けてますます

    本来の姿から遠のくと言うわけよ。」

Aさん「ふむ。」


Bさん「鏡に映るぼくの姿が

    こんなにも貧乳ちびっこなのは

    鏡と言う媒体の立体感の欠如に

    由来するものだと思うんだな。」

Aさん「いや鏡を通さず直接見ているぼくの目にも

    きみは貧乳ちびっこに映っているよ?」


 目の錯覚だと言いたいらしい。

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