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【揺花草子。】(日刊版:2023年)  作者: 篠木雪平
2023年05月
122/363

【揺花草子。】[#4114] まっすぐな気持ち。

Bさん「昨日も話した『わたてん』こと『私に天使が舞い降りた!』。

    昨年公開された劇場版『プレシャス・フレンズ』の

    パッケージが先月リリースされたのでこれを勇んで手に入れ、

    さらに勢いに乗じて昨年夏リリースの TV シリーズ BD-BOX と

    原作既刊12巻も入手しましたと言う話をしたね。」

Aさん「したね。

    バーキン家のそこらへんの勢いすごいよね。」

Cさん「でも幼女を語らせたら国内屈指の論客と評判の阿部さんには

    ちょっと勝てる気がしないわ。」

Aさん「そんな論戦に打って出た事はないんですけども!!!」

Bさん「ま、ともかく『わたてん』。

    阿部さんも少なくとも TV OA はちゃんと押さえてただろうから

    分かると思うけど、

    大学生のみゃー姉とその妹で小学5年生のひなたちゃん、

    クラスメイトの花ちゃんやノアちゃん、小依ちゃんや夏音ちゃん

    と言った面々がメインキャラクターだよね。」

Aさん「だね。」

Cさん「阿部さんは幼女好きのみゃー姉に自分の姿を重ねて観ていたのよね。」

Aさん「そんな事はないです!!!

    と言うかみゃー姉は別に幼女が好きと言うわけではないですよね!?」

Bさん「おっ、それは鋭い意見。

    まさにその通りで、みゃー姉は幼女なら誰でも良いと言うわけじゃなくて、

    花ちゃんの事が好きなわけだ。

    好きと言うか、まあ彼女自身の言葉を借りるなら

    『もにょっとした気持ち』なわけだけど。」

Aさん「んん、だね。」

Cさん「その点阿部さんは全ての幼女に分け隔てなく

    『じゅるっとした気持ち』を持つわよね。」

Aさん「持ちませんが!!?

    そもそも『じゅるっとした気持ち』って何ですかね!!?」

Bさん「他に重要な登場人物として、みゃー姉の事が大好きで

    ストーカー気質の松本さんがいます。」

Aさん「んん、そうだったそうだった。」

Cさん「劇場版『プレフレ』は昨日も話した通り

    花ちゃんの田舎のおばあちゃんのところに

    一同揃って遊びに行くお話だけど、

    作中そこかしこで松本さんがこっそり登場してるのよ。

    何と言うか松本さんの嗅覚凄すぎよ。」

Aさん「嗅覚・・・。」

Bさん「アニメのほうでは松本さんの度重なるストーカー行為に

    警戒心ばかりが先に立つみゃー姉ですが、

    原作ではみゃー姉と松本さんの関係はもう少し進んでいる。

    具体的には単行本を読んで貰えば良いと思うけど、

    みゃー姉は松本さんをちゃんと友達と認めて

    『香子ちゃん』と下の名前で呼ぶようになってます。」

Aさん「おぉ・・・そうなんだ?」

Cさん「このきっかけになる場面がとっても素敵でね。

    みゃー姉って基本的に自己肯定感が低い子じゃない?」

Aさん「あぁ、確かにそうですね。

    すごいマイナス思考ですもんね。

    元は良いのに自分の見た目には無頓着なのも

    そこらへんから来てるでしょうね。」

Bさん「何かにつけ『私なんか』と口にするみゃー姉の言葉を遮るように、

    松本さんは言うんだよ。

    『自慢じゃないけど私はみやこさんのことなら

     みやこさんより詳しい自信があるわ』」

Aさん「お・おぉ・・・。」

Cさん「『みやこさんが自分のダメなところ10個言ったら

     私がみやこさんのいいところ20個教えてあげる。

     大丈夫、みやこさんは今のままでも十分素敵よ。

     だから「私なんか」なんて言わないで?』」

Aさん「おぉ・・・松本さんそれは素敵ですね・・・!」

Bさん「でしょ?

    人から好意を向けられる事に慣れていないみゃー姉に対して、

    松本さんはまっすぐにその想いを伝えている。

    その想いにみゃー姉も不器用ながら応えようと、

    戸惑いながらも『ありがとう・・・こ・香子ちゃん・・・』と

    語るわけです。」

Aさん「んん。いいじゃない。」

Bさん「そうなの。

    個人的にはここは作中屈指の名シーンだと思っててね。

    これはちょっと真似したくなっちゃうなって思ったの。」

Aさん「また影響を受ける。」

Bさん「でもそうは言ってもちょっと難しいかもとも思っててね。」

Aさん「そうなの?」


Bさん「だってもし阿部さんが

    自分のダメなところを10個言ったら

    ぼくは阿部さんのダメなところを

    更に1000個くらい教えざるを得ないもん。」

Aさん「1個くらい良いとこないか?」


 見つけにくい。

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