第五章 担当わらび餅
対照的で同じわたしはひとりぼっちの教室でともに首を吊った。
もうすぐで日が暮れそうな赫い教室で。ついに無駄な人生にケリをつけることができた。無駄だった人生に。
ほんと意味のない人生だった。だけど、今更悔やんでもしようがない。いくら悔やんだって、こうやって死ぬ運命だったのだろう。
そうだ。私は、ずっとずっと、死にたかったんだ。
救いようのない屑みたいな私が嫌いで、憎くて……両親を殺した、あの日から死ぬための人生を歩んでいたんだ。
だから、今こうして私達は死んでいる。両親も屑だったから殺したことは後悔していない。
だから生き返らせることもしなかった。だけど……人を殺したという事実はずっと付きまとってくる。
記憶は、消えなかった……忘れることなんて、できるわけなかった。
たった一つの願いをも死ぬために使った私は馬鹿なのかもしれない。けれど間違ったものではないと、今まさに感じている。
私は、存在するべきものではなかったのだ。そう信じている。
今は幸せに死のうとしている。
――はずなのに、何かが溢れて止まらない。
幸せだって、思いたいのに……
どうしてこう、後悔ばかりの人生なのだろう。
ああ、視界がぼやけてくる。ほんとに死ぬんだなぁ、私。
せめて何かを遺せる人生ならよかった、のにな……
独りの少女達は赫い光に照らされながら縋るような笑顔でこの世を去っていった。