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俺は今、少しではあるが東雲に勝った気がして気分がいい。
俺は東雲から聞きたいことも聞けたので帰ることにしようとした。
「じゃあ俺はお前から聞きたいこともきけたから帰る。」
東雲はまだまだ俺をバカにしたいのだろう俺を引き留めようとしてきた。
「えぇーもっと遊んでいこうよー」
俺は引き留めようとしてきた東雲に言ってあげた。
「ふっ、誰がお前みたいなゴミ人間と遊ぶかよ」
俺は、そう言い屋上を後にしようと歩き出した。
すると俺の言葉が気に食わなかった東雲はまた脅しを始めた
「あれ?いいのかな?一ノ瀬さんにあの秘密を言っちゃっても・・・」
どうせ俺を帰らせないために言った嘘だと思った俺は適当に返事をした。
「ふっ、勝手に言ってろ」
だがこれが、俺が敗北する命取りとなった・・・・・・・・
「うん分かった」
すると、東雲は制服からスマホを取り出し、俺にも聞き取れるようにスピーカモードにした。
そしてある人と会話を始めた。
「あ!一ノ瀬さん?聞こえていた?」
「うん・・・・・・・」
東雲が会話していたのは、一ノ瀬だった・・・・・
俺は会話している人が、一ノ瀬だと知ったとたん東雲の胸倉を掴みに行き激怒した。
「おいテメェこれはどういうことだ!」
すると東雲は先ほどのふざけた態度から俺を見下すような態度に切り替えてきた
「はぁー?・・・見ればわかるでしょう?一ノ瀬さんに電話しているの」
俺はそんなことを聞いてくるわけではないので
「そんなことは分かっている!俺が聞きたいのはいつからそんなことをしていた?!」
「ずっーとだよ」
俺はその言葉を聞いて思った・・・・・
俺はあの作戦も、失敗したと思った・・・・・
しかもあの時、なぜ一ノ瀬に秘密を喋らなかったのかも喋ってしまった・・・・
俺は、最初から東雲にはめられていた・・・・・
そう思った俺だが、なぜか東雲に聞いてしまった
「じゃあ、最初から一ノ瀬が来ないことも・・・・・」
どうせ東雲は「そうだよー」とか言う。・・・・・
俺はそう思っていた。
だが、結果はそうではなかった・・・・・・・・
「あぁ、あれは、誤算だったよーだけど神様は私が見方をしてくれたんだよー・・・・」
なんと、俺の作戦は成功していた・・・・・・
だが、東雲の方が勝者と言うことになってしまった
俺はこのことが理解できなく、東雲に聞いた。
「はぁどういうことだ?」
東雲は、笑みを浮かびながら俺に聞いた。
「知りたい?」
俺は早く真相を知りたかった・・・・・・
「早く話せ!」
「はいはい、分かったよ」
昼休み
「東雲さんどうしたの?」
私は一ノ瀬さんのクラスへ行き今日の放課後のことを話した。
「実はね今日、隼人と放課後あの件のことで来てほしいて言われたのそれでひょっとしたらあの秘密もぽろっと喋ってくれるじゃないかと一ノ瀬さんを誘いに来たんだけど、どうかな?・・・・・」
「そうなんですか・・・・でもごめんなさい」
私は一ノ瀬さんが断るなんて思っていなかった。
この時は、正直驚いた。
「えっ?どうしてもしかしたら隼人から秘密を聞けるチャンスだよ」
「うん・・・でもね・・・今さっき友達とケーキの食べ放題に行く約束をしてしまったの・・・」
「そうなんだ・・・・・」
私はこの誤算にどうすべきなのか考えた。
だが、いい案が思いつかなかった・・・・・・
私はひとまず諦め教室に戻った。
「はぁーどうしようかな?」
私が教室に戻ると、ある二人組のクラスメイトがスマホを見ながら話をしていた光景が目に入った。
「ねぇ、このケーキ屋さんの食べ放題、今とても人気があるらしいよー」
「へーそうなんだ。ねぇ今度、私たちも食べに行こうよー」
「うん。いいね!そうしよう」
私はそんな会話を聞いて、さっき一ノ瀬さんが言っていたやつだと思った。
その時だった。私は、彼女達が見ているスマホに目がいった。
その瞬間、私はいい案を思いついた。
そして放課後。
私は隼人と会う前に、急いで一ノ瀬さんのところへ向かった。
すると目の前にちょうど、一ノ瀬が教室から出てきたところに遭遇した。
私は一ノ瀬さんを呼んだ。
「おーいー 一ノ瀬さんー」
私の声が聞こえたのだろう。
一ノ瀬さんは歩みを止め、後ろを振り返り言った。
「あ、東雲さんどうしたの?」
私は時間がなかったので、東雲さんの肩を掴み単刀直入に言った。
「はぁーはぁー一ノ瀬さん!いい案を思いついたの!」
「は、はい。それでいい案とは」
「それはね・・・・・・・・・」
私は思いついた案をそのまま伝えた。
「あぁーそれはいい考えですね。でも音漏れとかの課題もあると思うんですけど?」
そう一ノ瀬さんは言った。
だが、私にとっては想定済みだ・・・・・・
なので、私はあるものを渡した。
「うん分かっているだから、はいこれあげる」
一ノ瀬は私があげようとしているものを見て驚いた。
「えぇーこんなもの貰うわけにはいかないですよ」
それもそうだろう。なにせ、私が渡したのは未使用の小型ワイヤレスイヤホンだった。
私は同じものを何個も持っているので気にしないように言った。
「いいの私も同じもの持っているから気にしないで」
たが、一ノ瀬は受け取ろとしなかった。
「で、でも・・・・・・」
私はどうしても受け取ってもらうため説得した。
「大丈夫それなら回りを気にしないでケーキを食べれるし、音漏れもしない。だから安心して。」
だが一ノ瀬は、私が思っている事と違うことを気にしていたようだった
「いや、そう言うこと・・・・・・」
だが、私にはなにが不服なのか分からなかったので無理やりイヤホンを渡しこの場を去ることにした。
「ごめん私もう行くからはいこれ。」
「えっちょっと!」
「一ノ瀬はさんも準備しておいて!」
「あ、待ってー・・・」
「はいこれが、真相だよ」
俺は、真相を聞いて悔しくなった。
「ちくしょう!」
結局俺がしたことは何の意味にもならなかった。
そして俺が悔しがっているとスマホの向こう側から声を掛けられた。
「ねぇ竹中くん、一体あれはどういう意味なの?」
一ノ瀬の声だ・・・・・・
俺は、何のことを聞かれているのかすぐに分かった・・・・・