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俺は一ノ瀬と一緒に昼ごはんを食べれることこにワクワクしながら、一ノ瀬が案内してくれている場所についていった。
だが俺は、思っていた現実とは違った現実を目のあたりにすることとなる。
それを物語るのが今の状況だ。
「ねぇ、竹中君。これはどういうことなのかな?」
俺は一ノ瀬に誰も使っていない教室まで連れていかれた。
そして一ノ瀬は俺と昼ご飯を食べることなどせず、いきなり俺を床に座らせ、自分のスマホに保存されていたある写真を見せてきた。
「こ、これは・・・・・」
俺は一ノ瀬に見せられた写真を見た瞬間、驚きのあまり言葉が詰まった。なぜならその写真には昨日、原田に見られてしまった東雲とのやり取りがバッチリ撮られていた物だったからだ。
「うん?なんなのその反応。もしかしてそんなにやましい写真なの?」
一ノ瀬は俺が言葉を詰まらせたことにより何かやましいことでもあるのかと疑いの目を見せながら言ってきた。
そんな、一ノ瀬に対して俺は全力で否定した。
「いや、違うんだ!一ノ瀬さん。これには深い事情があって!」
「へぇ~、一体どんな事情かな~?」
一ノ瀬は明らかに信じていないようだった。
だが、俺は諦めようとはしない。
俺はそのまんまの真実を言った。
「え、えっとそれは東雲にはめられた写真なんだ!」
「頼む信じてくれ・・・・」俺はそう思いながら全力で一ノ瀬を説得しようと頑張った。
たが、現実は甘くなかった・・・・・・
「ふ~ん、嘘だよね?。」
全力で否定や説得をしようと頑張った俺だが、全く一ノ瀬は信じようとしなかった。正直、ここまで言われると流石の俺も悲しいことだがまだ俺は諦めない。
「嘘じゃない!本当なんだ!」
俺は渾身の思いで一ノ瀬に言った。
すると、一ノ瀬は自分のスマホをいじった後、また新たな写真を見せてきた。
「じゃあ、これは?」
「そ、それは・・・・・・・」
俺はその写真を見た瞬間、驚きのあまり先程の勢いがどこかへ行ってしまった。なんと、その写真は俺が東雲を背負っている写真だった。
「あぁあーこんなこと私は一度もされたことないのにな~」
一ノ瀬はその写真を見ながら東雲に嫉妬しているようだった。
「わ、わかったよ。今度ちゃんとやるから……」
そんな一ノ瀬を見た俺は今度やることを約束してあげることにしし、今回のことは水に流して貰おうと試みた。
だが、これでは終わるはずがなかった。
「それだけ?」
一ノ瀬は首をかしげた。
一体、何を望んでいるのだろう。
そう思った俺は一ノ瀬に聞いた。
「えっ、他になんかしないといけないの?」
「当たり前だよ!私を差し置いてこんなことをしているんだから!」
一ノ瀬は顔を膨らませながら怒ってきた。
だが、俺は一ノ瀬に何をすればいいのか分からないので恐る恐る一ノ瀬に聞いた。
「えっと、他に一ノ瀬さんは何されたいのですが?」
「う~ん。そうだね。」
一ノ瀬は本気で考えた。
そして一ノ瀬がパン!と手を叩いた後、自分が考えたことを無邪気な子供のように俺に言った。
「はっ、そうだ!まずは、私の名前を下の名前で呼んでよ!。そしてそれから毎朝私と登校、もちろん下校もね!あと、お昼ごはんも一緒に食べること。あとは、あとは・・・・・・」
一ノ瀬は思いつくがままにたくさん俺に言ってきた。だが、さすがの俺もそんなにお願いを聞けない・・・・そう思った俺は恐る恐る一ノ瀬に指摘してみた。
「ねぇ一ノ瀬さん・・・それはいくらなんでも多すぎじぁないですかね・・・」
「うん?竹中くん何言っているのかな?君は浮気と言う犯罪を私にしたんだよ。それなのに文句を言うなんて何様なのかな?」
そう、一ノ瀬は表面上では笑顔で言ってくれたが、内心まだ怒っているようにも思えた俺は一ノ瀬に謝った。
「はい。すみません・・・・・・・」
「じゃあ、これから私のお願いを聞いてくれるよね?」
「はい・・・・・・」
俺が一ノ瀬に謝ったことによりついに、強制に近い問いに乗る羽目になった。
そのため、俺は仕方がなく一ノ瀬のお願いを承諾することになった。




