表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/35

30


東雲の煽り言葉で火が付いた俺は何としてでも東雲から聞き出そうと、東雲に言われた通り次の時間に東雲がいる席へ行った。


「おい!東雲。いい加減教えてもらおうか!」


俺は東雲の机をバン!と叩き出した後、東雲から聞き出そうとした。


「えっ、なんのことかな~?」


だが、東雲は自分の机に頬杖を突きながらまるでなんのことなのかのようにとぼけ始めた。

そんな東雲を見た俺は激怒した。


「とぼけるな!お前が次の時間に来いと言ったじゃねーか!」


俺は東雲の胸倉を掴みそうな勢いで怒鳴なった。

だがそんな俺を目の前にしても東雲は未だにとぼけ続けた。


「あれ~?私、そんなこと言ったけ~?」


東雲は俺なんか何とも思っていない。

それどころかまるで俺をバカにしているようだ。

そんな東雲に俺はつい、熱くなりすぎてしまいいい加減なことを言ってしまった。


「あぁ!もういい!お前なんかに聞くより原田に聞いてやる!」


もちろんだが、そんなことをすれば原田に昨日の件で何を言われるか分からない。

そのため出来るなら極力関わりたくない人物だ。

そして東雲は俺が原田と関わりたくないことを知ってだろう。

東雲は余計に俺を煽り始めた。


「へぇ~、じゃあ、やってみなさいよ~」


だが、この時の俺は熱くなりすぎ判断力が鈍くなっていた。

そのため東雲の挑発に簡単に乗ってしまうこととなった。


「あぁ!絶対やってやるよ!」


そう俺は東雲に言い放った。

すると、東雲はまるで他人事のように言ったあと席を立ちどこかへ行ってしまった。


「あっそー頑張ってね~」


相当、東雲にイラついていたのだろう。

俺は東雲が消えたあと何としてでも原田から聞き出すことに決めた。


「チッ、見てろよ東雲。絶対原田から聞き出してやる!」



そして時は過ぎ昼休み。


俺は東雲に言ったことを有言実行するため原田の教室へ行こうとすることにした。


「だが、どうするべきか・・・・・・・」


原田の教室へ行こうとする意気込みは良かったものの肝心の原田とどう接触するかで、俺は悩み行き詰った。


「うん~」


俺は、自分の席で腕を組みながら考えていた。

すると、女子生徒が俺を呼んだ。


「おーい~竹中。お前のよ・・・いや、一ノ瀬さんが来ているぞー。」


「あぁー分かった。」


以前、一ノ瀬が俺のクラスに現れたせいだろう。

俺はクラスの女子生徒に悪意ある言葉を言われそうになった気がした。

だがなぜか、嫌な気分にはならなかったのでそのままスルーした。


「おぉ!一ノ瀬さん。どうしたの?」


女子生徒に言われた通り早速、一ノ瀬の方へ行った。

そして、俺が一ノ瀬の元へ来た所で一ノ瀬はちょっぴり恥ずかしそうに言った。


「あのさ、今日も一緒にご飯を食べようよ?それも、二人で・・・」


一ノ瀬は、以前のようにランチバックをもちながら俺を誘ってきた。

違うことと言うと今日は二人っきりの昼ごはんであることと、一ノ瀬が持っているランチバックの色やデザインが違うことだ。


「うん、いいよ。じゃあ、準備して来るから待ってて。」


「うん」


そう一ノ瀬に断りを入れ、俺は鞄から親が作ってくれた弁当を持ち出した。


「ごめんね、一ノ瀬さん。」


駆け足で一ノ瀬に近寄った俺は一応、一ノ瀬を待たせてしまったので謝った。


「うんん。大丈夫だよ。」


一ノ瀬は俺が少し待たせても何とも思っていたようだったので、俺は話題を変え、一ノ瀬に尋ねた。


「で、どこでご飯を食べるの?」


「フフッ、ひ・み・つ」


一ノ瀬はそう言い俺を案内し始めた。

一体、俺はどこに連れていかれるかと言う疑問と、一ノ瀬の秘密の場所に行けるワクワクが混ざりあった複雑な気持ちでいた。


だが、これからあんなことになるとは今の俺は知らない・・・・・・・












読んで下さりありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ