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「一ノ瀬さんやめてくれ!」
一ノ瀬は、俺を無視し、本当に、ひざまつこうとしていた。俺は、一ノ瀬まで、土下座をしてもらい、東雲に、許してもらおうなんて、カッコ悪いことは、死んでも、御免だと思ったので、俺は、土下座をやめ、急いで、後ろから、一ノ瀬を、止めた。
「いや!離して!」
一ノ瀬は、抵抗してきた。だが、俺も、諦めなかった。
「いいや離さない!俺は一ノ瀬さんだけには死んでも土下座なんかしてほしくはない!」
「でも!これじゃ竹中君は秘密をばらされてしまうよ!それでもいいの!」
「あぁそれでもいい!だから土下座なんかをするのはやめろ!」
俺は、一ノ瀬に、土下座なんかしてもらうより、よっぽど、秘密をばらされた方が、ましだった。そう思うと、東雲の脅しも怖くない。俺の心にも、変化が、起きた。
「へー隼人のくせに、カッコいいとこあるじゃん」
東雲は、俺の姿を見て、関心していた。
「いや!いい加減離して!」
一ノ瀬は、全然俺の言葉を、聞いてくれない。
これじぁあ、一ノ瀬は、土下座をしかねないと、思った俺は、覚悟を決めた・・・
「・・・・おい一ノ瀬いい加減、少し黙っていろ・・・」
「え・・・・・・」
俺は、話を、聞いてくれず、ただ、ひたすら、抵抗してくる一ノ瀬を押さえるために、急だが、いつもとは、違う少し荒い言葉使いで黙らせた。思惑通り、一ノ瀬は、抵抗をやめた。
そして俺は、一ノ瀬を止めるのをやめ、このままの調子で、東雲に、立ち向かった。
そして、俺は、言った。・・・・・・
「・・・東雲、もう、俺の秘密をばらしても、構わない・・・・・」
「はぁー?・・・何の冗談だ・・・」
「冗談じゃない・・・本気だ・・・」
「ほおー・・・一ノ瀬さんいや、学校じゅうに嫌われても構わないのか?・・・・・」
「あぁ、構わない・・・・・・」
「本当にいいんだな・・・」
「あぁ、」
「・・・そう、なら、お前の、お望み通りにしてあげるよ・・・あした、楽しみにしていろよ・・・」
「あぁ、」
東雲は、そう言い残し、この場を後にした・・・・・・
俺は、東雲の、後姿を、黙って見送った・・・・・・
そして、俺は、思った・・・・・・・・・・・
これで、一ノ瀬にも、学校じゅうにも、嫌われる・・・・・・
たが、なんだか、スッキリした・・・・・・
俺は、この時、心にあった何かが、一気に、晴れた感じがした・・・・・・