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「ねぇ、私が、原田を止めてあげようか?」
沈黙から、15秒くらいたった頃だろう。東雲が、急にそんな事を提案してきた。
急すぎる提案に、俺は聞き間違えたのかと思いもう一度東雲に聞いた。
「えっ、今なんて?・・・・・」
そんな俺の質問に東雲は、もう一度同じ事を繰り返した。
「だからー、原田を止める役目をしてあげると言っているじゃん~」
東雲の言葉を聞いた俺は、改めて間違いではないことを確信した。
だが、東雲はこの件には関係ない。そのため、こいつが、俺に関わってもメリットもない・・・・
俺は、そんな事を思ったので、その事を指摘した。
「いや、お前には関係ない事じゃん」
俺の指摘を聞いた東雲は、あっさりと、この件に関係ないと認めた。
「まぁ、そうだけど。」
だが、次の瞬間東雲は、まるで殺意が溢れ出ているような目つきで俺に言った。
「ムカつくんだよね。原田 由奈が・・・・・」
俺は、東雲を見た瞬間、ゾクッ!とした。
そのため、東雲にこれ以上の追求をやめることにし、今は、東雲が協力してくれることに感謝することにした。
「そ、そうか・・・・・・まぁあ、協力してくれるだけありがたい。」
「じゃあ、決まり!」
俺が協力してくれることを喜んだ瞬間、東雲はとても乗り気に言った。
「お、おう・・・・・・・」
そんな東雲の反応を聞いた俺はついつい、東雲のペースに飲み込まれた。
そして、この件にかたが、着いたと思ったのか・・・・
俺がそのまま東雲のペースに飲み込まれることなんて気にすることもなく、東雲はこの場から帰ろうと、俺を誘った。
「よし!この件は、私が協力すると言うことで、これでおしまい!じぁあ、帰りますか?」
急にそんなことを言われ、もう一度東雲に聞き直した。
「えっ・・・・・」
だが、もう遅かった・・・・・・
なぜなら、東雲は、ブレザーのポットからスマホをとりどし、ひつじに電話をしていた。
「あっ!もしもし、私。あのさー今から車2台回してくれる?」
東雲は車を出すように、執事に命令した。
「うん。じゃあ、よろしくー」
執事との、電話を終えた東雲は、ブレザーのポケットに、スマホをしまった。
次の瞬間、東雲は、俺の方を見て笑顔で言った。
「て、言うことで、私の車で、隼人をお送りしますー」
東雲は、とても上機嫌だった。
「あぁ、ありがとう。」
とりあえず、上機嫌な東雲を不機嫌にしないように、いきな計らいに対して感謝をした。
「じぁあ、明日からよろしくね・・・・・・」
東雲は車に乗る瞬間、まるで、獲物を狩るような目で言ってきた。
「お、おう・・・・・・」
そんな東雲を見た、俺はなにも言えなかった。
こうして、今日は終わりを告げた。




