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俺はこの機会に聞いてみた。
「どうして一ノ瀬さんは俺のことが好きなの?」
俺は告白された時から疑問だった。
なぜなら俺は一ノ瀬に惚れさせたことをした覚えがない。
それどころか俺は一ノ瀬に嫌われるようなことをした。
そんな俺のなにがいいのか・・・・・・
俺はどんな答えが返ってくるか緊張した。
「そ、それはね・・・・」
「うん・・・・・」
さぁどんな答えが・・・・・
俺は息をのんだ。
保健室もいい具合に緊迫した空気になった。
「私の・・・・・・」
「うん・・・・・・・」
「はぁ~私としたことがー!」
その瞬間、この緊迫とした空気を壊すかのように保健室の扉が開く音と聞き覚えのある声がした。
そのおかげで緊迫したムードは壊れ、俺と一ノ瀬は音がした方に意識がいき会話が途絶えてしまった。
「えっと・・・・うん?」
まるで何かを探しながらやってきた声の主が俺と一ノ瀬に気付いた。
そして主は俺たちに対して言った。
「まだあんた達こんなところでイチャイチャしているの?」
そう言って俺らの邪魔をしたのは、帰ったはずの東雲だった・・・・
「あれ 東雲さん?」
東雲に気付いた一ノ瀬が言った。
俺も東雲に気づいたので聞いた。
「はぁ~お前なにしに帰って来たんだよ?」
俺は東雲がこの場に戻ってきたせいで大事なことを聞き損ねた。
そのため俺は落胆していた。
「えっ、忘れ物を取りに来たんだけど・・・・あれ?もしかして私、悪いタイミングで来ちゃった?」
東雲は俺の態度を見てタイミングが悪かったことに感づいたようだった。
なので、俺は否定することなく東雲に言った。
「あぁ、ものすごい悪いタイミングでな・・・」
「あぁそうなのごめんねー。せっかくのキスの邪魔をしてしまって」
東雲はこの状況でも俺らをからかってきた。
そんな東雲に俺は呆れながらも否定した。
「はぁ~ちげーよ・・・・」
「あれそうなの?てっきり私は一ノ瀬さんと隼人がキスをする瞬間に私が入ってしまったと思ったよー」
どうやら東雲は俺たちをからかったつもりはなかったようだった・・・・
「うふふ・・・二人とも面白いね」
そんな俺と東雲のやり取りを見ていた一ノ瀬が笑った。
だが、これが恐れていた事態が引き起こした・・・・・
「笑っちゃダメだ!一ノ瀬さん!」
「えっ?」
俺は突然一ノ瀬を助けるために声を荒らげた。
なぜなら一ノ瀬は東雲の事を笑ったからだ。
東雲は人に笑われたりバカにされることが大嫌いだ
もし東雲にそんなことをしたやつは東雲の権力によって消される・・・・
俺はそんなやつをたくさん見てきた。
そのため俺は一ノ瀬を止めようとしたが・・・・・・
遅かった。
俺は一ノ瀬を助けるために東雲に許しを得ようとした。
「東雲落ち着け、一ノ瀬さんも悪気があった訳じゃない!だから許してあげてくれ!」
俺は必死に東雲に訴えかけた。
だが東雲はなんも反応を示さなかった。
「・・・・・・・・・・・・」
あぁ・・・もうダメだ・・・・・
そんな東雲を見て俺は思った。
だが・・・・・・
「・・・・・いや~!それほどでも~」
東雲は一ノ瀬の言葉に照れた。
「えっ?」
俺はそんな東雲を見て内心ほっとしたが理解できなかった。
なので俺は東雲に確かめてみた。
「おい、待て東雲」
「うん なに?」
「お前、人に笑われたりバカにされることが・・・・・」
「ううん、はいそこまで!」
俺は喋っている最中に東雲に止められた。
そして今度は東雲が俺に言った。
「いい?隼人。一ノ瀬さんは私の大事な友達!だから笑われたりバカにされるくらいであんなことはしない!分かった?」
「あぁ・・・・・」
俺はその言葉を聞いて思った。
なんだ東雲にも優しさとこあるじゃん・・・・・・
俺は常に嫌な奴と言うイメージしかなかった
だが先ほどの言葉を聞いて俺は東雲を感心した。
と思った瞬間、東雲が先ほどの言葉を付け足すように言った。
「でもー隼人に笑われたりした場合は消すけどね!」
東雲は可愛く怖いことを言った。
俺はついツッコミを入れた。
「いや、なんでだよ!」
「アハハ 冗談 冗談!」
東雲は笑いながらさっきの言葉を否定した。
「なんだー冗談かよ」
俺はその言葉聞きほっとした。
すると可愛らしい声がした。
「うふふ・・・やっぱり二人とも面白い」
一ノ瀬が俺達はのやり取りを見て笑った。
「うん そうだね・・・」
俺も一ノ瀬につられ自然と笑みがこぼれた。
そして東雲も俺たちにつられ自然と笑みがこぼれた
「ふっ」
この瞬間保健室が暖かい空気になった。
そう言えば何か忘れているような・・・・・
俺は唐突にそんなことを思った。
まぁ、いいか・・・・・・
だが今は考えるのをやめた。
結局俺は聞きたいことを忘れた。
だが、後に俺が聞きたかったことがあんな大きな問題になるとは今の俺は知る余地もなかった・・・・・・・・・
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