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押しかけ女房のお嬢様とオタクの俺は釣り合わない  作者: 海老の尻尾
第1章 オタクと猛アタック
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第1章 オタクと猛アタック その3

 目を覚ますと夕日が俺を照らしており、消毒液の匂いが漂ってきた。どうやらここは保健室のようだ。

 ん? 夕日? あれ、授業はどこに行ったんだ? そもそも俺はなんでここに?


「お、起きたか侯輔。心配したぜ、急にぶっ倒れるからよ」


 勇人の声が聞こえた。俺をここまで運んでくれたのだろう。だんだん意識がはっきりしてきて思い出してきた。そうだ俺はあの女の子に……


 するとガラガラと保健室の扉が開き、元凶がやってきた。


「あ、侯輔様。お目覚めになりましたのですか。本当によかったです」

「は、花見崎さん?」


 俺は後ろに飛び跳ねて机に頭をぶつそうになったがまた眠るのは嫌だったので気合で机を回避した。


「あそこで急に抱きついてしまい申し訳ございません」


 深々と頭を下げた。どうやら過度の緊張に体が耐えられなかったようだ。なんと脆弱な。


「あ、い、いえ、大丈夫……です」


 久しぶりに女の子と会話をした。こんなにも緊張するものなのか。


「起きたのならもう平気だな。本当はお前と花見崎さんとの関係についてじっくり聞きたいところだが今から部活だ。お前は今日休みだってこと監督に伝えとくから早く帰れよ。では先生、後はお願いします」

「ええ、分かったわ。前野台君もありがとうね」

「いえいえ、お礼はデートくらいで結構ですよ」

「あと十年くらい経ったら考えてあげるわ」


 軽くあしらわれる。相変わらずだな。そうして勇人はグラウンドに走っていった。


 鳴本江実(なりのもとえみ)先生。保険医であり、とても美人である。生徒のみならず教師陣にも人気のある先生。先生に会いたいがためにわざと怪我をする人もいるという。


「後塚君、平気? 立てる?」

「あ、はい。もう大丈夫です。動けます」

「そう。良かったわね。ちょっと会議があって席外さないといけないんだけどいいかしら?」

「あ、分かりました。じゃあもう出ます」

「いいのよいいのよ。すぐ終わらしてくるから。三分くらいだから」


 そういうと彼女は保健室から出て行った。……ん? 今勇人と鳴本先生が出て行った。ということは今ここにいるのは俺と花見崎さんの二人だけ? いや、まずいまずい。今度ぶっ倒れたらどうなるか分からない。俺は布団から出ようとした。そのとき、


「カチャ」


 鍵をかける音がした。かけた人はもちろん俺ではない。彼女だ。彼女はこっちをゆっくりと振り向いた。


「やっと二人きりになれましたわね。確か先生が帰ってくるのは三分後でしたわね。十分ですわ。さあ子作りを始めましょう」

「……はい?」


 まだ意識がしっかりしていないのかな。もう一回言ってもらおう。


「子作りを始めましょう」


 うん、聞き間違いであって欲しかった。


「ちょ、ちょっと花見崎さん、何やってるの!」


 俺は両手を上げた彼女から後退しながら言った。目にハートマーク浮かべてるしこれはヤバイ。


「ふふ、大丈夫ですわ。初めは痛いかもしれませんが後で気持ちよくさせてみせますわ」


 何も大丈夫ではない。それに女の子がいう台詞ではない。このままでは俺の貞操が危うい、そう思っていると俺の背中が部屋の隅っこに付いてしまい、逃げ場が無くなってしまった。


「さあて、観念してくださいませ。一つになりましょう」


 両手をワキワキしながらにじりよる。そして彼女はその両手を俺の目の前で勢いよく合わせた。要するに猫だましを俺に仕掛けた。俺は思わず目をつぶった。そして目を開けるといつの間にか俺の上半身は裸になっており彼女の手には俺の衣服があった。


「ああ~、これが侯輔様の匂い。何て幸せな気分なのでしょう。この匂いの香水を作らせようかしら」


 俺の衣服に頬ずりをしてクンクン嗅いでいる。な、なんだこの女の子は!


「ちょ、ちょっと返して……」


 俺が取り返そうと右手を伸ばして彼女に近づこうとしたとき、俺の下半身がスースーした。なんとズボンまで取られてしまった。股間部分の匂いを重点的に嗅いでいる。ちなみにかろうじてパンツは無事だ。


「ふぅ、さてついにラスト一枚になりましたわね。それではいざ!」



こうして冒頭のような感じになった。

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