第3章 オタクと同棲生活の始まり その4
俺は何故か邪魔を二回も言われるほど嫌われている。昔はお兄ちゃーんって甘えてきたのにな。
「わ、悪い愛歌。それより大事な話があるんだ、お前にも関係ある話なんだ」
「……何よ」
普段なら俺と会話をしようともしないが自身が関係ある話と聞いて耳を傾けてくれた。
「実は俺の彼女……いや彼女なのか? まあいいや、とにかくその人がここに居候することになったんだ」
赤裸々にありのままに話した。あの人が俺の彼女というわけではないがそこで止まっていたら話が進まないのでその体で話して同室になることを告げた。
「はあ!? そんなこと認められるわけ無いじゃない、ダメよ。この家に部外者入れるのなんてダメよ。何するか分かったものじゃないから。パパもママも目を覚まして」
嫌がりそうだとは思っていたがまさかここまで拒否反応を起こすとは思わなかった。どれだけ俺と同室が嫌なんだよ。というかこいつ花見崎さんのこと知らないんじゃないのか? この前朝襲われそうになったときも合宿行っていたから顔すら見たこと無いはずだ。
「まあ愛歌、彼女の人となりは父さんが保証するから変なことはしないはずだよ」
俺は逆に変なことをすることを保証することができる。親父は一連の奇行を見ていなかったから知らないかも知れないが。
「どんな人でもダメ。私がいる限り」
「あらあら、家族が増えて良かったと思ったのに……残念ね」
お袋は悲しんでいるがよくよく考えると結果的には妹は俺の味方ってことでいいんだよな? そうと決まれば俺はすぐに島袋さんにこの事をメールで送った。当の本人に送るのは怖すぎたので送れない、そんなことすれば今すぐ引き返してきて来そうだからだ。今日来襲させないために本人に言うのは明日以降にしてくれと追伸に書いた。
「はあ、疲れた。私シャワー浴びてくる」
「愛歌」
「何よ、まだ何かあるの?」
「……ありがとうな。お前のおかげで助かったよ」
耳元で感謝を告げた。
「ふぇっ!? な、何よ急に。べ、別に兄貴のためなんかじゃないから!」
そう言うとお風呂場に直行した。愛歌はツンデレっぽい言動を時々してしまう可愛い妹である。まあアニメみたいに本当のツンデレじゃないことくらい理解はしている。俺に対して嫌悪感丸出しの態度を見ていれば俺への好意は限りなくゼロに近いのが感じられる。
その後お袋は終始悲しそうな顔を浮かべていた。




