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電子狐になりまして  作者: きつね耳モフモフ
開始編
1/106

プロローグ

まずは起動まで。

ヴァーチャルリアリティ。仮想現実世界。略して『VR』とヒトはそれを言う。


  『VERMILION(ヴァミリオン) HORIZON(ホライゾン) ONLINE(オンライン)

略して『ヴァルミリ』は

 VR全盛となったこの世に生まれたばかりのVRMMOと呼ばれる種類のゲームソフトである。

 VRMMOとは、要するに仮想現実世界に自己を投影したアバターと呼ばれる

キャラクターを投入して様々な疑似体験が出来るジャンルのゲームだ。

 そして私こと秋葉結音(あきはきつね)はこの度、そのVRMMOのβテスターの募集に

見事当選したのだよ!運が良かった!!

既にゲームソフト自体は家にあるハードディスクにダウンロードとインストール済み。

 今日がその最初の稼働日となるので後は仮想開始ボタンを押すだけである。

今は別窓で開いたままにしてある非公式な攻略掲示板のスレッドを横目で見つつ、

手持ちのVRヘッドと呼ばれる頭に被るタイプのアクセス端末の中で表示されている

ゲーム開始用画面のカウントダウンを見つめている最中だったりする。


 こういった体験型ゲームを開始するに当たっては本人認証の為にVRヘッドや

VRベットと呼ばれるアクセス用端末でスキャニングと呼ばれる身体測定が必要で、

今まではゲームの中でも性別を変更出来なかったのだが、

このゲームはそれが可能となる記念すべき第1号作品なので事前登録者数は

それこそ鰻上りに上がり、一時はHPがパンクしたらしいがそれも過去の話。


 かく言う「私」の現実の性別は女だ。簡易型とされるVRヘッドや全身投入型の

VRベットには持ち主の判別の為の性別判定機能があり、

ゲーム用アバターといえども性別が変更不可だったけど、この度アバターの性別変更も

変更可能となった事でゲーム人口が増える見込みです。やったね!・・・私は変えないけど。


          5・4・3・2・1・0・・・ピコーン!!


『ようこそ、『VERMILION(ヴァミリオン) HORIZON(ホライゾン) ONLINE(オンライン)』へ。』


 ゲームの女性ナビゲーターのやや事務的な声と共に、ゲームのオープニング

ムービーが開始される。幻想的な異世界に息づく生き物達や魔物や魔法

と言った用な技術から、勇者や魔王らしき存在が相対する構図やどこかの

迷宮を巡る冒険者達のパーティといったゲームへの導入宣伝用の情景が

劇画の如く演じられていく。

 スタートダッシュしたい攻略組なんていう人達等は動画のスキップ機能で

さっさゲームのアバターの製作画面に行ってしまうのだろうけど、

私はそこまでがっつく理由も無いので最後まできちんと見終わってから移行するよ?

 いよいよこれからキャラクターメイキングだ。ワクワクするね!

擅自版权所有严禁转载! 次はキャラクターメイキング!

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