『戦場』、混乱
何人ほど伸しただろうか。
数えることもできなくなって、三崎は大きく息をつく。
戦いが始まった当初より、人数が増えているように思うのは、気のせいではなさそうだ。
「やっべーな、これ」
自分たちが『発端』となって、ここまでのことになるとは。
三崎はそんなことを思いながら、周囲をぐるりと見回した。
自分と同じ制服を着た、顔も知らない生徒が、吹っ飛んでいくのが見えた。
「だらぁぁぁあ!!」
「うっわ!!」
視界の隅から、振り下ろされるのは大剣。
やられる、と目を閉じた直後、響いたのは金属音。
「何してんの、バカなの」
呆れたような声に目を開ければ、目の前で止まっている大剣が見えた。
そこから視線をずらし、見えたのは短い剪定鋏。
そして、大剣に絡まるツタと、枝。
「本当、言いだしっぺならしっかりしてよ」
「かっ、架月!!」
眼鏡を直しながら、三崎を振り返る架月。
それから架月は再び相手に向き直ると、そのまま三崎に向かって口を開いた。
「どういうルールでやってんのかよくわかんないけど」
「ああ、ルールなら一応」
「僕らも僕らで結構勝手にやらせてもらってるから、そっちもそっちで頑張ってよ」
「えっ、ちょ、架月」
「じゃ」
話している間に、三崎に向かってきた大剣の男をあっさりと倒してのけた架月は、剪定鋏を片手に走り出す。
「いや、ちょ、架月-っ! 一人にしないで!」
聞こえていないらしい。
三崎は深く溜息をついてから、再び短刀を構えた。
「くそう、できるだけ長く立っててやる!!」
「……それにしても、人が多すぎるな」
三崎を放置し、戦場を駆け抜ける架月。
向かってきた敵は倒しながら、状況を見る。視る。
「!」
ふいに、視線を巡らせた先。
横から来た攻撃を避けながら、架月は思わず言葉を漏らした。
「……なんで」




