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バットラ!~Battle Triangle 三校対抗全面戦争~  作者: くつぎ
第二章 その少女、『極神』
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『極神』、の噂

「あんな条件、クリアできるわけねーよ」


 一ノ宮高校、二年一組。

 深く溜息をついて、がっくりと肩を落とすのは、三崎拓史(みさき たくし)

 例の全面戦争を言い出した、図書館で勉強する真面目な不良だ。


「まあ、なんて言うか、ドンマイ」

「慰め方が投げやりすぎる!」

「そう言われても、僕には関係ないし」

「お前っ、そんな薄情な男だったとは! 見損なった!」

「勝手に過度な期待するのやめてくれないかな」


 小さな溜息をつきながら、愚痴を聞かされているその少年は窓の外へ視線を送る。


「なあ、なんか心当たりねーか?」

「そう言われてもね…というか、なんで僕にそれを聞くの。自分で言うのもなんだけど、僕って戦いとは縁遠い人間だよ?」

「逆になんか知ってるかなって」

「逆」


 そんな逆はない。ツッコミの言葉を飲み込んで、代わりに溜息をつく。


 上川架月(かみかわ かづき)というこの生徒は、いわゆる優等生というものだ。眼鏡、着崩していない制服、見た目からして優等生そのもの。


「悪いけど、まったく知らない。本当、まったく知らない」

「逆に怪しい! え、なんか知ってんの?」

「知るわけがない」

「架月…今お前、嘘ついてるな?」


 じとっ、とした目で架月を見る三崎。架月は三崎からゆっくりと目を逸らし、窓の外を見た。


「今日はいい天気だね」

「逸らし方! へたくそか!」

「ち、ばれたなら仕方がない……」

「逆によくばれないと思ったな、お前」

「だって三崎って単純だから」

「ひどくね?」

「まあ、それはそれとして」

「いや、ひどくね?」


 架月は三崎の言葉を受け流しつつ、メモ帳を取り出し、何やらさらさらと文字を書き始める。


「言っとくけど、『最強』レベルってほどの強さではないと思うよ」

「ええっ、それじゃ意味ねーじゃん!」

「一人ならね」

「へ」


 ペンを置き、メモ用紙を一枚破り取る。

 それを三崎に差し出しながら、架月は面倒くさそうに言った。


「まずは、この子にコンタクトとって」

「……『極神(ゴクシン)』? 一年三組、竜崎帆風(りゅうざき ほかぜ)……?」

「その子をうまく引き入れられたら、もう一人紹介できる当てがある」

「架月……! 俺はお前のこと、やれば出来る子だと思ってたよ!」


 バシバシと架月の背中を叩く三崎。

 架月は呆れたように溜息をつき、小さくつぶやいた。


「ある意味、正解」



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