『一高』、現着
さて。
ここからが戦争。
「……結構なことになってますね」
「あっはっは、本当だ」
場所は三座川高校、校門前。
すぐそばにぐったりと倒れこんでいるのは、制服からして三高の生徒らしい。
架月はそんなことを思いながら、ちらり、屋上の方を見た。
「すでに一悶着も二悶着もあった後、みたいですね」
「確かに。ま、でも遅刻ではなさそうだ。ほら」
千里が屋上を指さすと、同時に爆発が起きる。
誰と誰が戦っているのやら、見当もつかないが。
どうやら確かにそこでは、まだ戦いが続いているようだ。
「灯熾」
「ん、何かな千里にーちゃん」
「三高の強いやつって、何人か知ってる?」
「私の交友関係から言えば、『時刻』と『機巧』くらいなのだけど」
そう言いながら、灯熾はちらりと倒れこんでいる二人を見る。
「『機巧』はこの状態だし」
「あ、こいつら強いんだ」
「一応ね。でも、それ以外はよく知らないな」
灯熾が小さく溜息をつく。
続いて、千里は架月の方を見た。
「架月くんは? 誰か知ってる?」
「僕は『時刻』くらいしか知りませんね。彼は中学が同じだったんで」
「あれ、じゃあ私とも同じだったはず」
「あれ? あー、同じクラスになったことないと覚えてないな」
「あはは、私も覚えてない」
架月と灯熾のそんなやり取りを聞きながら、千里は続いて帆風を見る。
帆風は何かを聞かれる前に、口を開いた。
「強い子、でいうとあまりわからないですけど、仲良くしてる中で戦えるのは『百式』の斑鳩奈音ちゃんくらいですかねぇ」
「帆風ちゃんと仲がいいなら、強いんだろうね」
改めて、千里は屋上の方へ視線を送る。
ふと、屋上のフェンスに誰かが乗ったのが見えた。
高いところから、仁王立ちでこちらを見る、その人影。
楽しそうに嗤う、飛鳥の姿。
「馬鹿と煙は高いところが好きって、本当だよね」
同じように、楽しそうに嗤う、千里。
その隣で、架月が呆れたように笑い、帆風が面白そうに笑う。
「行こうか」
一ノ宮高校代表、進軍開始。




