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バットラ!~Battle Triangle 三校対抗全面戦争~  作者: くつぎ
第九章 その少女、『幻影』
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『幻影』、見る

「お邪魔します。『審判』殿はどこでしょう?」


 開いていた窓から、にこりと笑って彼は言う。

 その言葉に、彼女はきょとんと首をかしげる。


「あいにくですが、生徒会長は本日お出かけしております」

「それは残念だな」

「何の御用でしょうか」

「少し遊ぼうと思って来たんだけど」


 窓から生徒会室に侵入しながら笑う千里。その様子を見ながら、彼女は、どう見ても戦いそうもない印象の彼女は、しかし席を立たない。


「『審判』がいないなら君でいいや」

「は」

「俺の目はごまかせないよ」


 次の瞬間。

 じゃき、と言う音とともに、彼女の首元に突き付けられた刀。

 その刀を視認し、なおも彼女は動かない。じっと、千里の目を見返すのみ。


「眼鏡、やめたんだ」

「……えっと」

「あと、髪も伸びたね」

「人違いでは」

「ないね。そんなことで俺を誤魔化せるとでも思ったの?」


 刀を突きつけたまま、にっこり、嬉しそうに、千里は微笑んだ。


「久しぶりだね、『幻影』」

「……それで呼ばれるの、好きじゃないです」


 わずかに眉根を寄せた彼女に、千里は少しだけ驚いたような顔をする。

 それからもう一度、笑った。


「ごめん、そうだったね」

「でも、人違いじゃないことはわかりました。確かにそれは、私のことです」


 突き付けられた刀を片手で退かしながら、彼女は立ち上がる。

 真正面から千里と向き合った彼女は、じっと無表情に、千里の目を見つめた。


「ですが、あなたは誰ですか?」

「……覚えてないかぁ」


 少しだけ残念そうに、千里が笑う。

 首をかしげる彼女に、千里は笑顔のまま、口を開いた。


「俺に勝てたら教えてあげようかな」

「は」

「だから、俺と遊ぼうよ」


 刀を構え直しながら、千里は彼女の目を見て、言った。


「ね、浅宮灯熾(あさみや ほたる)さん」



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