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思えばきっかけは些細なこと
「おう、てめえ! その制服は一高のモンだな?」
「だったらなんだってんだ、ああ?」
「この坂凪の最強は二高だ。よっててめえはここから去れ!」
「そいつは聞き捨てならねえなあ!」
「その制服は、三高か!」
「坂凪最強は俺たち三高に決まってんじゃねえか」
「おいおい、さっきからおとなしく聞いてればなめ腐りやがって」
「はっ、てめえら一高なんざ二高の足元にも及ばねえぜ」
「言ってくれるじゃねえか。最強は俺たち一高だ」
「何だと」
「はん、一高なんて『最強』がいなけりゃ恐れるに足りず、だ」
「二高だって『審判』だけでもってるようなモンだろ」
「そういう三高なんて、目立って強いやつがひとりもいねえだろうが」
「三高は生徒全員がコンスタントに強いんだよ」
「は、バカ言いやがって」
「こうなりゃ全面戦争だ。一高、二高、三高。どこが坂凪最強か」
「そうだな、白黒はっきりさせてやろうじゃねえか」
「上等だゴラァ!」
以上、坂凪町立図書館で交わされた、不良の下っ端同士の会話。
それがああまで大ごとになるとは、この時は誰も思わなかっただろうな、なんて。
「君たち、図書館では静かにしなさい」
「「「ごめんなさい」」」




