第二話 難題には難題が続くというものがあった
「で、どうするの」
「ど、どうしよう」
「どうしようじゃないでしょー、言い出しっぺなんだから」
……今頃のように思い出したがこいつらは文芸部に入るのだろうか?いやしかしこの様子では入る方向だろう。
さて、俺たちはとある問題にぶち当たっていた。それは文芸部創部に当たり必要部員が五人以上ということだ。今いるのは四人。あと一人足りない状況だった。
「……明日何時間だっけ?」
「え?」
「明日はー四時間ですねぇー」
「四時間か……」
「え、何するの」
「いや、何も。とりあえず今日は帰ろうぜ」
「おう」
俺はそんな中色々と構想を練っていた。あと一人はこの流れ的に男子のほうがいいだろう。読書好きな男子。そう考えた時とある男子生徒を思い出した。
……あいつなら!
次の日俺は早速そいつに俺は声をかけた。
するとそいつは「何だ」と短く返した。
「お前、本読むの好きか?」
「まあな。……それがどうした」
「文芸部、入る気はないか?」
「文芸部……?あぁ、小説を書いたりする部活の事か」
「そうそう!どうだ?」
「入る分には構わない。だが、文芸部という部活はこの高校になかったはずだ。」
「もちろんそうさ。……創んだよ、文芸部を!」
そう言った瞬間微かにだが彼の表情が変わった。まるで獲物を見つけたライオンみたいな表情に。
「もう一回聞こう、お前は文芸部を創るのか?」
「もちろん」
「部員は?」
「四人。お前を入れたら五人だ。」
「なるほど、面白そうじゃないか」
「だろ?」
「あぁ。……これも何かの縁だ、集まりは何時だ」
「今日の放課後、第三会議室で。」
さて、こういった文芸部を創る為に動き回っていた今日だが、学校のイベントとしては部活紹介となっている。この学校は基本的に部活には自由参加である。また、部活動を創るのも部員五人以上、顧問がいる上で可能とされている。顧問についてはいつもダラダラしている先生に来なくてもいいという条件で(但し重要事項は伝えてくれるようにというのも付けた)、確保している。そして彼ー大森俊哉(厨二病という噂がある)が加わり、部員は五人。教室は第三会議室が与えられ、無事文芸部としてスタート!したのだが、またも問題が発生した。
それは、執筆用のパソコンが無いという事実だった。
ー放課後、第三会議室にて。
「……きょーたろーさぁ、勢いでやるよねー」
「は、ははは……。笑うことしかできねーや」
「高岡に文芸部を創るからとは聞いていたがここからだとはな」
「そぉですねぇーどーしましょうー」
「部費は?」
「5万」
「少な!」
「少ないって当たり前だろ?創部したばっかなんだから」
当たり前と思うんだが違うか?え、違うのか?!
「それにしても少ないよ、ねぇ大森君」
「あーまあ創部したばっかだからなー。対した実績もないしな」
「そーいうこった」
問題に問題が続く、正直こうなるとは思わなかった。




