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欲張ってチートスキル貰いすぎたら、ステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します  作者: ゆさま


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2/2

詰んでる

 徐々に意識が鮮明になる。頬を撫でる風の感触と土の匂いだ。それに獣の鳴き声が遠くから聞こえてくる。


 恐る恐る目を開ける。上半身を起こし、両手両足と胴体、ひとまず自分の目で見える範囲を確認した。特に体に異常は無いようだが……。早速、あの言葉を言ってみた。


「ステータス!」


 俺の目の前に半透明のウインドウが表示された。期待と不安に心臓を高鳴らせながら、そのウインドウを覗き込んだ。


 名前:カイト 


 レベル     1


 HP       1 

 MP       0

 体力      0 

 筋力      0

 魔力      0 

 反応      0 

 俊敏      0

 器用      0 

 

 スキルポイント -10000 (上限まで差し押さえ中)

 

 所持スキル 


『アイギスの盾』相手が自分のレベル+50以下なら、どんな攻撃も無効化する。


『天才』成長に関してあらゆることに大幅にプラス補正が掛かる。


『物知りさん』質問するとなんでも答えてくれる。鑑定能力を持っている。世間話に応じてくれる。


『アイテムボックス』異空間にどんなアイテムでも一つだけしまっておける。(スキルポイント不足により性能制限中)




「カイト? 俺の名前か。俺の能力値は……、なんじゃこりゃー! ステータスが全部0! スキルポイント差し押さえって何? HPたったの1? 詰んでるー!?」


 一人で頭を抱えながら騒いでいると、頭の中で女性の声が聞こえてきた。


「欲張ってスキル貰いすぎだよ」


 俺はハッとして周りを見渡したが、誰もいない。


「もしかして、女神様?」


「違うよ。私はカイトのスキル『物知りさん』だよ。色々助言してくれるスキルを女神様に貰ったでしょ」


 確かにそんなことをお願いした気もする。スキル物知りさん……か、この状況を打開する知恵を授けてくれるんだろうか。


「ねぇ、物知りさん! 俺はこれからどうすればいい?」


「がんばってー」


「なんか答えが雑!」


「そんな大まかな質問には答えられないよ。もっと絞って質問してくれる?」


 絞ってと言われてもな……。ひとまず立ち上がって周りを見ると森の中だった。


「ここどこ?」


「ここはナロッパニア王国の北東部に広がっている森、ティバンの森だよ」


「なるほど、なろう系では定番の森なのね?」


「カイト、何言ってるの? ちょっと意味分かんないんだけど」


「こっちの話。で、俺は何をすれば生き延びられるんだ?」


「そうだねー、まずはダッシュしようか?」


「ダッシュ?」


「あーあ、カイトがもたもたしてるから野生の獣に遭遇しちゃった」


 ガサガサと茂みをかき分けて、目の前に大型犬サイズの白い狼が現れた。


「あの白い狼……、まさか伝説のモンスター、フェンリルか?」


「ブッブー不正解! モンスターじゃないよ。あれはこの森に多数生息している獣のダイアウルフ。普通のダイアウルフは茶系の色だけど、珍しいアルビノ種だよ。レアな奴に遭遇したね! でも、カイトじゃ絶対勝てないからさっさと逃げよう!」


 やべぇ、俺、HP1しかないんだぞ。攻撃受けたら死んじゃう。逃げなきゃ……。


 だけど体が思うように動かない。俺がもたついていると、白い狼は跳んで襲い掛かってきた。俺はその場に転倒し、目を閉じると腕に痛みが走った。


 ギャー! 食いつかれた。痛い! 死んだ……。


「おーい、カイト。絶対防御スキル『アイギスの盾』の効果でダメージ0だから落ち着けー」


 ノエルの緊張感のない声に、恐る恐る目を開ける。


 白い狼は、俺にのしかかって腕をガジガジ噛んでいた。肌は全く傷ついていないが尖った牙が皮膚に突き立てられて痛い。


「絶対防御? でも痛いんだけど?」


「痛みはあっても、怪我はしないからもうちょっとだけ我慢して。あと15秒待って」


 15秒って? 待つも何も、なす術もなくしばらく白い狼にガジガジされていると、突然白い狼の体が浮き上がって「ゴキッ」と嫌な音がした。


 その瞬間、ジタバタと藻掻くような動きをしていた白い狼の四肢は、だらりと力のなく垂れ下がった。


 尻もちをついたまま、そーっと見上げると、体格のいい強そうなおじさんが立っていた。白い狼の首根っこを片手でつかんで持ち上げている。


「お前さん、生きとるかい?」


「はい、どうにか……。ありがとうございました」


 おじさんは俺をジッと見る。


「お前さん、異世界人じゃろ? 名前は?」


「カイトです」


「ワシはオウデル。この辺りで狩りをして暮らしている。異世界人は弱っちくてすぐ死んでしまうからの。ウチに来れば多少は世話してやる」


「お願いします」


 オウデルと名乗るおじさんは、白い狼の死体を担ぐと歩き出したので付いていくことにした。


 物知りさん、異世界人って弱いの? チートスキル貰って強いんじゃないの?


「異世界から転生してくる人たちは、欲張ってスキルを貰いすぎるから、代償としてとんでもなくステータスが低い人ばかりなんだよ」


 ええっ……。


「場合によってはデバフ付きなんてことも多いよ。カイトもこれ以上スキル貰っていたら、呪いとか病気の極悪なデバフ貰っていたところだよ」


 コワ……。詐欺じゃんそんなの。


「そう? 古来より欲張り者は痛い目を見るのがお約束だよ。自業自得でしょ?」


 日本の昔話的な感じか? なんか思っていた異世界転生と違う……。


 欲張ってスキルをたくさん貰ったことを後悔しつつ、オウデルさんの後ろを黙って付いていくのだった。


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