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50通目 エルフ族長フィロストレリアからベラへ

シュトラスレートル城から

僕の可愛い妻ベラへ


 前略 久方ぶりに君の故郷に入城したよ。


 中庭できちんとゴブリン達に磨いてもらった甲冑姿で勢揃いした僕の一隊を見て、僕らはドワーフ族という友を永遠に喪ってしまったけれど、ゴブリン族という友を新たに得ることができたということを、新たに実感したところさ。


 戦勝にあたって、僕らの働きを記述したボトム王の手紙の写しを同封しよう。学者達に渡しておけば、エルフ語に訳されて後世にも伝わることだろう。


 僕の勲自体はまあどうでもいいんだけど、兄上やボトム王やシーバスレリアの記録を残しておきたいんだ。


 どちらかというと、我が愉快な兄弟達の記録を、という意味でね!


 一同を代表して僕が君達姉妹の父王、つまり我が義父上と話すことになった。義母上は相変わらずゴブリンが苦手で、部屋に閉じ籠もってしまったとのこと。


 トロル討伐および君の懐妊祝いも兼ねてシュトラスレートル城で舞踏会を開きたい、と願い出たら快く許可をくれた。君にとても会いたがっていたよ。


 なので、ドラゴン族の若い子達を兄上から、あのエコールの樽を本人から借りた(さすがのタフな彼女も限界だったらしく、中庭で丸くなっていた)


 我が家の家令に、『あるだけのお酒を持ってくるように(地下室に隠しておいた分もね)』『エルフ族のドレスを三着』必ず持ってくるように伝えて欲しい。


 君はエコールの樽に乗るのは初めてだったかな。


 お腹の子に障らないよう、ありったけの布団を敷き詰めるといいってボトム王とリネッテ姫から言われたよ。


 君達三姉妹が全員揃うのを見るのは、僕ら兄弟とて実ははじめてなんだ。


 つまり、この世で一番美しい光景を、僕らはこうして待っているというわけさ。


 夜光蝶染めのドレスを三着、早急に作っておいて正解だったよ。


 というわけで、君にとっては突然の、そして久々の里帰りになってしまった。


 こちらで勝手に話が進んでしまったことを心から詫びよう。もちろんこの埋め合わせも考えているよ。


 本当に申し訳ないけれど、何卒よろしく。


君の忠実なる夫

フィロストレリア・エルフェンノルン


追伸 それと、学者達の間で研究中の例の一件のあれもこっそりと運んできておくれ。我が兄弟達は驚くことだろう。あれを前に、誰が、どんな選択をするか、興味深くすらあるよ。

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