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38通目 エコールとシーバスレリアからアルベリッヒ王へ
我らが偉大なるアルベリッヒ王へ
急啓 エルフ族のシーバスレリアを連れて『常冬の宮殿』にご機嫌伺いに向かう途中、『鷲の大崖』から黒い狼煙があがりました。
背中に乗せていたシーバスレリアが、急に顔色を変えて
「駄目だ。最大速度で戻ってくれエコール! あの黒い狼煙はゴブリン族の有事の証、『鷲の大崖』で何か起きたんだ!!」
というので、昇りかけの山から、いち早く戻ることにしました。
いつもの妖精便の子を樽の中に入れて連れてきていたため、こうして連絡できるのです。幸運だった、とシーバスレリアは言います。
何が起きているのか私達にはさっぱりだけど、私もシーバスレリアも長い放浪生活中に『鷲の大崖』から黒い狼煙が上がっているのは、はじめて見たはずです。
私は夜も飛んでいられるので全然気付かなかったけど、昨夜は地震があったとかで、とんでもなく嫌な予感がします。
陛下への手紙だっていうのに、敬語がきちんと使えていないのをお許しください。ただ、本能的に『これはよくない』と思った次第なので、シーバスレリアと共に、用件のみ、こうして代筆させています。
なにとぞ、何卒よろしく。
美しいお妃様にもこの旨、どうかお伝えください。 早々
エコール
シーバスレリア・エルフェンノルン
《代筆にて失礼致しました 妖精便担当者より》




