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15通目 ベラからリネッテへ

『木叢の館』より

私の花冠リネッテへ


 前略 シーバスレリアから話を聞きました。取り急ぎ、暖かい毛布をエコール女史に持たせましょう。お姉さまのために縫い上げたものですが、あなた達の山越えにも役に立つことでしょう。


 それと、赤い装丁の古い図鑑を一冊。これは同行するルネに渡してください。ドラゴン族の山に植生する不思議な植物を収めた一冊です。


 冒険者組合に手紙を出して、一番良い防寒具をあなた達の元に早急に届けるように取り計らいました(ボトム様用のものは、サイズが多少合わない可能性もありますが)


 そしてお姉さまが、私達のお姉さまがとうとう、本物の恋をなさっているのね。

それも、いとも高貴なるお方に!


 私は、有象無象の人間の諸侯が、お姉さまと釣り合うとは『これっぽっちも』思っていません。私の最愛の夫であるフィロストレリア様も同じようなことを仰っていました。夫が私のことを


「僕の愛しいみどりの姫」


 これが政略結婚である、と知りつつも、そう呼んでくれるようになるまでに、あまり時間はかかりませんでしたが、エルフ族と人間族は古来より近しく、稀に婚姻するものもあったという下地があってこそ。


「ドラゴン族は心冷たい者ではないけれど、きっとヒトを相手に心の衣を脱ぎ捨てる方法がわからないだけなんだよ」


 これは私よりは幾ばくかドラゴン族のことをよく知る弟シーバスレリアの言です。


 リネッテ、あなたも忘れないでいて。


 情熱と情熱が交差する、愛に満ちた喜ばしい時間こそは、ただの妃をこの世で最上級に美しい、それこそもっとも高貴なる者にふさわしい女にするのです。


 ルネに渡した図鑑がきっと役に立つことでしょう。銀色の花を挟んだ頁です。ボトム様とお義兄様に、何卒佳くお伝えくださいな。 かしこ


あなたの姉より

ベラ・エルフェンノルン

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