夢交換
天使のいたずらとは知るはずもなくセイはなるの夢の中に入り込んでいく。。。
目の前に見える光景は見知らぬ男性、女性と自分が食卓を囲んでいた。
2人の顔はよく分からないがお箸を持つ自分の手が右利きだ。
セイは左利きだなのだ。少し違和感はあったものの夢の中なので気にもとめなかった。
そしてとても雰囲気の悪い食事の時間だった。
長い沈黙。。ご飯が進まない。美味しいともゆえるような雰囲気でもない。
セイだったら色々明るく話したり、場を盛り上げるようなことを言うが、その時は言葉を発する事が全くできなかった。
そらそうですよね。その夢では引っ込み思案のなるが主人公なのですから。
さぁ、それでは次はセイの夢を見ているなるの様子も見ていきましょう。
「待ってー!!お母さん!!行かないでー!」
男の子の泣きじゃくる声が響き渡る夢。。
目の前に男の子と思われる母親が家から出ていき、段々と遠くなり見えなくなっていく場面が見えたのだ。
この声は男の子?私が叫んでない?
少し違和感を感じながらも、泣きじゃくる男の子の声がとても切なくて、なるは今すぐに抱きしめて慰めてあげなかったが、男の子の姿が見れないのだ。歯がゆい気持ちでいっぱいになった。
そらそうですよね。
その夢の主人公はセイなのですから。
ぐっすりと夢を見た2人は朝になり目を覚ます。
(セイの部屋)
「変な夢。。何だか暗い夢だったな。」
(なるの部屋)
「なんだか切ない夢だったなぁ。。」
天使のウィンはその様子を楽しそうに空の上から眺めていた。