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昔の話

「フィア?」

「うん、そうだよあたしはフィア、クルガー粒子に適合した人間に現れる妖精みたいなものだと思って」

「じゃあ、あなたが感情を?」

「いいえ、それは単純にクルガー粒子が感情を糧としてエネルギーを取り出しているからよ、まあ君が新しい方法を見つけてしまったけど」

私は、立ち上がり大きく伸びをする。

「それで君はこれから何をする気なの?」

「決まってるでしょ?みんなに聞きに行くの…30年前のことをね。そうすればきっと私が人間ということを証明できる」

「あたしが君に宿った時点で君は人間だよ?」

「他の種族にも宿るかもしれないでしょう?さて、まずは美風お兄ちゃんからね」

私はいつも通り山道を下っていく、何だか道中の動物たちは私に怯えていたような気がした。

「ねえあの小さい茶色の動物は何?」

「あれはリスっていうのよ、この世界のものあまり知らない?」

「うん、あたしはまだ生まれたばかりだからね」

それなのに自分が何者なのかわかっているところがすごいな…

しばらく歩いていると、目的の場所についた。

私の職場でもあり、第二の家だ。

「ここなんか嫌な感じがする」

「?なんで」

「だってなんか、真っ白だし変な匂いがする」

「真っ白なのは私の家も同じよ。後この匂いは消毒液の匂い、医者の私が言っていいものじゃないけど死の匂いって言われてるわね」

私は指紋認証でドアを通り、タイムカードを切る。

「美風お兄ちゃんいる?」

内線を使い、職員から美風お兄ちゃんの位置を聞き出す。

まあこういう時は到底…

「ここでしょ美風お兄ちゃん、ほらいた」

「あれ?マギクル今日は休みだっていったろ?」

ここは美風お兄ちゃんの妹さんがいた病室だそう。

今は美風お兄ちゃんとクルガー家しか入れない。

「ちょっと教えて欲しいことがあってね…30年前のことなんだけどね」

「30年前?ああ、ワイデルさんが教えたのか…あの時は僕も若かったな〜どこから教えて欲しい?」

「美風お兄ちゃんが知ってる限りの全て」

美風お兄ちゃんは香水ボトルをポケットから取り出しつけなおす。

「30年前までここには記憶を失った僕の妹がいた。記憶を取り戻すために僕はいろんなことをためした。でもどれも失敗に終わった、最終的に行き着いたのは旧友であるレーファさんを頼るくらいだ。彼女は昔と比べて明るくなっていたよ、きっとワイデルさんのおかげだろうね」

「お母さん?」

「ワイデルさんは罪を犯して、今君が住んでいる研究所の一階に幽閉されていたんだよ、でも安心して冤罪だったから。レーファさんはその後EESの強化施設に連れて行ってくれたよ、そこで少し邪魔が入って戦闘になっちゃったんだ」

美風お兄ちゃんは懐かしそうに窓から見える森を眺めながら続ける。

「僕は戦えなかったけど、今でもあの姿は忘れない」

「美風お兄ちゃんは使い魔を持ってなかったの?」

「うん、僕は最初っから使い魔を持ってはいなかったよ。結局ビルトスさんたちが勝って助かったんだけどね、僕が使い魔に目覚めたのはこの後のことさ」

美風お兄ちゃんは香水ボトルを掲げながら、険しい顔になった。

「記憶喪失の妹が唯一記憶を戻せると知らされ、僕はそれをワイデルさんに頼んだ。しかし、その方法は僕が想像しているものではなかったんだ」

「一体どんな方法だったの?」

「…ワイデルさんが僕の妹を食べるんだよ、そして激怒した僕は使い魔に目覚めた。それがこいつバルビツールさ」

美風の後ろには黒い影がぼんやりとこちらを見つめていた。



しばらく、投稿出来てなくてごめんなさい!


ぜひマイページにも遊びに来てね!

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