イマイズコ
縁日の封鎖された商店街
舞台上で孤独な歌い手
喧噪を切り裂く歌声が
私の感傷に食いこんで
幼い頃母が買ってくれた
水ヨーヨーにそっくりな心
理想と現実に挟まれて
パチンと弾けて消えてった
出店のリンゴ飴みたいに
食べきれないくらいの夢を
思いっきり頬張っていた
あの日のあなたはいまいずこ
朝目覚めたらお腹が空いて
電車のなかであくびをして
あなたの目を見て好きだと言えた
あの日の私はいまいずこ
束の間の希望にすがりついて
日常の谷底に落ちこんで
いまいずこと問うことしかできぬ
おまえの居場所はいまいずこ