07 メンバー
「私、イケてるレンジャー目指してるんですけど、弓のお師匠さまのセシエリアさんから、せっかくレンジャーと相性の良い固有スキルを授かったのだから、もっと鍛錬して上を目指しなさいって激励してもらっちゃって、それでいっぱい冒険してるんですけど、レンジャーとしてのアレコレが今イチ上達しなくて、でも今回のカブトムシ探しだったら、きっと『固有スキル』でお役に立てると思うので、期待してくださいねっ、フォリスさんっ」
えーと、マリオネさん、
カブトムシが音に敏感かどうかは定かではないけど、
森の中ではもうちょっと気配を消すようにした方が良いと思うよ。
「はいっ、ご忠告ありがとうございますっ」
「スゴ腕狩人さんのアドバイス、とっても参考になりますっ」
……見た目通りの元気っ娘なのです、マリオネさん。
その行動、まさに予想通り。
そして……
「アニーニちゃん、お疲れじゃのう」
「ふへぇ、皆さん、凄いですね、僕、ついていくのが、やっとです……」
「わしからの、こういう時のとっておきのアドバイスじゃ」(小声)
「好きな女の子のお尻だけを見て進むんじゃよ」(さらに小声)
「身体の奥からチカラが湧いてきて、疲れなんぞ感じるヒマも無いくらい元気に歩けるんじゃぞ!」(説得力ある小声)
「無理ですよぅ、そんなのマリオネにバレたら、お仕置きどころの騒ぎじゃないですって」(小声で力説)
「しっかりせんかっ、あんな可愛らしい娘さん、必死に捕まえとかんと取られて泣きを見るぞいっ」(ギリギリ小声)
「……リストさんっ、僕、頑張りますっ」(覚悟の小声)
あー、こっちもびっくりするほど予想通りですね。
アニーニさんも爺ちゃんも、
カブトムシ探しってこと、忘れてません?
まあ、僕ががんばるしかないってことも、予想通りなんですけどね。
では、森の狩人の本気モード、行きますかっ。
カブトムシに通用するかどうかは定かではないのですが……