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04 情報


"騎兵下ろしの森"に向かって、勇ましく進行中。


 徒歩で、てくてくと。



『ヴェルクリの家』の冒険者ギルドで、リグラルト王国に関するパンフレットは購入済み。


 パンフレットは、ペラペラに薄いのとかやたらと分厚いのとかいろいろあったけど、そこそこ奮発してそれなりの物を選びました。


 お高いだけあって、造りも内容もしっかりしたもの。


 森やカブトムシに関する情報も、ばっちり載っていますね。




『リグラルトレイピアカブトムシ』



 リグラルト国内の特定の場所でしか繁殖しない、大変に希少なカブトムシです。


 捕獲の際は、冒険者ギルド発行の許可証所持が必須となっており、違反者は極刑を含む厳罰に処せられます。


 飼育の方も、国定飼育士の資格所有が必須となっており、違反者は極刑を含む厳罰に処せられます。



 充分に成長した成体は全長1mほどまで育ちますが、ツノの長さを除いた体長は半分ほどです。


 その全長の半分は、特徴的な長いツノで占められています。


 名工が鍛えた業物のレイピアに匹敵するとうたわれた、強靭で鋭利なツノが、その名前の由来となっております。



 普段は大人しい性質ですが、高速で移動する物体を感知すると、引き寄せられるように追尾するという特性があります。


 全速で駆けていた馬上の騎兵を鎧ごと刺し貫いたという逸話が古くから残されており、


 どんなに勇敢な騎兵でも生息地の森の近辺を通る際は下馬することが、


"騎兵下ろしの森"という地名の由来となっております。




 なるほど、かなりの希少種で、結構な保護対象でもある、と。


 ちゃんと事前準備してきて良かったですね。


"騎兵下ろしの森"の情報を尋ねたら、受け付けのお姉さんから捕獲許可証が必要と言われましたので、ばっちり取得済み。


 つまりは、準備万端意気揚々。



 それにしても、許可証無しの密猟は極刑って……


 それすなわち、"カブトム死"、ってか。



「今日は冴えとるの、フォリスちゃん」


 いや、本当に冴えてたら、わざわざこんな狩りになんて来てないと思う……



 しかし何ですな、なかなかにイカす性質のカブトムシ。


 狩人の血も騒ぐってなもんですよ。


 相手にとって不足なし。



 って、んなわけないでしょ。


 ちょっとお爺ちゃん、どう見ても"狩り"じゃないよね。


"捕り"だよね、コレ。



「細かいのう、フォリスちゃん」

「あまり細かいこと言っとると、女の子から嫌われちゃうんじゃよ」


 そういうのは間に合ってますから。


 僕はシュレディーケさんひと筋です。


 ってか、何でいきなり"カブトムシ捕り"なんです?



「えーと、精霊界で、ブーム?」


 なぜに疑問系……



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