22 やらかし
いろいろあったけど、みんな、元気です。
リスト爺ちゃんは相変わらず、時々ふらっと我が家に現れて、
憎めないわがままで、僕をイラっとさせて、
ルルナさんたちに甘えて、ふわっとハグされて、
さんざん自由に振る舞ってから、ニコっと笑って帰って行きます。
本当、良いよね、自由な暮らし。
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シュレディーケさんは、『エル女会』に夢中。
女性解放運動の活動家人生に目覚めた、のではなく、
城下街の奥さまたちとの交流に夢中、なのです。
『エルサニア城下街勤労女子婦人会』は、
街の広場で炊き出しをしたり、
商店街の清掃活動をしたり、
子供たちとレクリエーションしたり、
そんな感じのユル楽しい集まりになりました。
とっても素敵な活動だと思うけど、
旦那さんの愚痴大会的なお茶会だけは、なんとかしてほしいです。
あと、奥さまたちから手作りお菓子を貰ってくることが多いみたいだけど、
時々箱の中に入っているハートマーク付きの手紙、なんなんだろ、あれ。
どんな手紙にでも、ちゃんと返事を出してあげてね、シュレディーケさん。
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ルルナさんは、お悩み中。
この家にルルナさんのお部屋を増築しようっていう計画が進行中なんだけど、
ご実家のルルガンおじいちゃんが、少し寂しそうにしているとのことで、悩んでいるのです。
生活基盤をまるっとこちらに移すのではなく、
着替えとかの私物を置いておける私室を用意しようっていうだけなんだけどな。
まあ、ご存知の通り、自他共に認める根っからのおじいちゃんっ子なので、
おじいちゃん関連の案件は、全部ルルナさんにお任せなのです。
ルルガンさんが怖いから逃げてるわけではありませんよ、僕は。
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イーシャさんは、わがまま中。
お城の例の小部屋に、
小さな魔導キッチンを設置、
公務の隙を見つけては、お料理ざんまい。
それは良いのだけど、『七人の戦乙女』さんたちにまでお料理修行を強要するのはやめてあげて。
「近衛の責務で終日私のそばを離れられないのでしたら、この機会に花嫁修行、ではなくて、その時間でお料理修行をすると、よろしいのですよ」
"戦場七華"と讃えられた勇猛乙女たちが、慣れないお料理にへとへとのへろへろ。
誰か、助けてあげてほしいな。
僕は、触らぬ女王様に試食なし、なので……
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アニーニさんとマリオネさんへのお礼の件、
モノでは無く、僕たちなりにできることでお返しした方が良いのでは、というのが家族会議の結論でした。
で、僕が狩人として、シュレディーケさんが冒険者として、ルルナさんがメイドさんとして、
それぞれの秘訣的なノウハウを教えちゃおう、ってことに。
ただ、交流が進むにつれて、なぜか我が家の乙女たちにさまざまな影響が……
どうやら、例の"幼なじみパワー"が原因の模様。
これが"ミイラ取りがミイラに"ってことかも。
えーと、ミイラってゾンビみたいに感染するんだっけ?
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家長と狩人、僕なりにがんばっております。
結構問題てんこ盛り。
でもやっぱり、いちばん解決したい問題は、
リスト爺ちゃんとモルガナさんのすれ違い、かな。
何か良い解決策、無いかな。
フェルマーシュさんだったら、
スッキリ解決、できたんだろうな。
そう、重要な悩みごとがもうひとつ。
あのカブトムシ王国での冒険を、
遠征狩猟として認めるかどうか。
だって、記念すべき遠征狩猟第四弾が、
"カブトムシ捕りでのやらかし"ってことになっちゃうよ……
あとがき
(自称)平凡なフォリスさんですが、
自重はしないが変に空回りしないところが、
主人公の器、の萌芽、かも。
真っ直ぐなやらかしの数々も、もちろん、
主人公の器、の片鱗、かも。
つまりは、これからもこんな感じでよろしくお願いします。




