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シロのママ

シロのママは後悔をしていました。

もっとゆっくり、何度も何度も後ろを振り返って移動すればよかったと。


ずっと住んでいた公園には、いつからかいたずらしに来る人間の男がくる様になったので、安全に暮らす為にどこかへ引っ越しをしようと思ったのに、移動中に大切な大切な子供の仔猫シロとはぐれてしまいました。


『シロ、どこへいったの?』

ママは色んな所を探しましたが、シロは見つかりません。

なので引っ越す前の家まで行って探す事にしました。

『シロ、怖い思いをしていないかしら』『ごはんはちゃんと食べてるのかしら?』

ママは心配がつきません。


シロのママはシロを愛してます。猫の中には育児放棄をする猫もいますが、シロのママはそうではありません。

シロのママはシロをとても愛していたけれど、猫は手を繋ぐ事は出来ません。咥えて移動することはできるけど、ずっとそうするのは大変です。

『あの公園にあのまま居た方がよかったのかしら』

『でもシロはまだ仔猫だからあの悪い人間に追いかけられたら逃げ切れないかも知れない』

自分より何倍も大きな相手です。

立ち向かっても、やられるだけ。逃げるしか安全に暮らす方法は無かったのに、逃げてもシロとはぐれる未来が待っていたなんて…、

ママはどうしようもない想いに押し潰されそうでした。


人間にはいい人間と悪い人間と、何もしてこない人間がいました。

何もしてこない人間は、悪い人間が他の猫を叩いたり蹴ったりするのを見ても、何も見えてなかったかの様に立ち去りました。


シロのママはようやく公園に着いたので、くまなく探す事にしました。

シロのママ「シロー、シロー」

返事はありません。

どこを探しても、シロは見つかりません。

シロのママは、シロがいなくなったと気付いてからずっとシロを呼び続けてたので、声も枯れかけていました。

『少し水を飲もう…』

シロのママはそう思い、小さな川がある方へ進みました。


そこに一人の人間がいました。

人間「あれ?今日はおチビちゃんはいないの?」


シロのママはお腹の中に赤ちゃんができたと分かった頃から安全に暮らしたかったので、やさしい人間が現れると人懐っこく甘えていました。

この人間はそのうちの一人です。

でも人間はみんな撫でてくれるし、たまにご飯もくれるけど、拾ってはくれませんでした。

シロが産まれたあとも、シロだけでも連れて行ってくれないかと思った事もありましたが、うまくはいきませんでした。

人間に拾われた猫はだいたいが幸せになります。

安全に寝る場所はあるし、ご飯も毎食食べれるし、たまに人間が構って欲しいとしつこくちょっかいをかけてくる事はあるけど、野良猫として生きるよりとても裕福な暮らしが出来ました。


シロはまだ仔猫、一人でご飯を自分で探して獲る事ができるでしょうか?

そして季節があります。暑い時期や寒い時期、一人で越えられるでしょうか?

まだ何も教えてあげられてないのです。

シロのママは苦しくなり、そこにいた人間に八つ当たりしました。

シロのママ『何で!何で拾ってくれなかったの?あなたが拾ってくれたらシロは今頃幸せに暮らせたのに!!』

シロのママは泣き叫ぶ様に言いましたが、もちろん人間は猫の言葉を理解できません。


人間「どうしたの?お腹すいてるのかな?」

人間は猫がにゃーにゃー鳴く事をお腹が空いてると思い、バッグから餌を取り出しました。

人間「ほら、これ食べて」


シロのママはずっとシロを探してたのでご飯を食べていなかった事を思い出しました。

『これだけ探しても見つからないならここにはいない、また他を探しに行かなきゃいけない。体力付けて探しに行こう。』

シロのママはそう強く思い、差し出されたご飯を食べる事にしました。

でも、とても美味しいご飯なのに苦しい味がしました。

ご飯を食べながら、『もし、このままシロに会えないのなら、どうかいい人間に拾われています様に』

そう願わずにはいられませんでした。


この人間はとても猫が好きでした。

でもなかなか飼えずにいました。

猫を飼うのも大変な事です。

お金もかかるし、この人間は一人で暮らしてるから自分に何かあった時に猫をどうすればいいかなど考えなければいけませんでした。

だけど、この公園に猫に悪戯をする人間がいる事を知って、すぐにでも保護しようと決めた所でした。

ここに悪戯をしに来る人間がいる事を警察に通報しましたが、捕まって居ないのでまた悪い人間が来てしまうかもしれません。


ご飯を食べてる猫を撫でながらその人間は思いました。

『仔猫がいたら一緒に家に連れて行こうと思ったのになぁ。どうしよう。』

このまま放置しても悪い人間に何かされるかもしれないし、でも仔猫をほっておいて親猫だけ保護するのも気が引けました。


人間「もう少し早く行動すればよかったな…」

人間はそう呟きました。

猫を飼うのは初めての事なので、周りに聞いたり、準備してから迎えようとしてた事を後悔しました。

悪戯をする人間がいると分かってからはすぐに行動したけど、それでは遅かったのです。

そして人間はシロのママを抱えて公園を隈なく探す事にしました。

仔猫を見つけたら一緒に連れて帰ろうと。

でも、探しても探しても見つからないので、もしかしたら悪い人間に何かされたのかも知れないと不安になりました。

不安をかき消す様にまた必死に探しましたが、見つかりません。


シロのママはそれを見て、シロを一緒に探してくれてる事を理解しました。

とても嬉しく、頼もしく思えました。

だけどその日シロは見つからず、人間はこう言いました。


人間「あなただけでもうちに来て。明日また仔猫を探しにきましょう。」


シロのママ『!!』


なんと、シロのママはずっと願っていた、人間に飼われるという安全を手に入れたのです。

少し嬉しく安心と混ざってむず痒くなりました。


でも、肝心のシロがいません。

探してくれるとこの人間は言ってるけど、見つけれる保証はありません。


迷いましたが、シロのママはずっとシロを探してたのでとても疲れてました。

今日はこの人間について行って、シロが見つからなければ隙を見て逃げ出そうと思いました。


シロのママは人間に抱かれ温もりを感じながらこう思いました。

『ありがとう』

そして人間にすりすりしました。

この話の途中までは昔書いた物でした。

この話は今日途中から考えて書き上げましたが、次回更新は未定です。

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