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お題シリーズ3

山が削れる

作者: リィズ・ブランディシュカ



 俺は山だ。


 もうすぐ、この山でトンネル工事が始まるそうだ。


 トンネル工事は、穴をほって、人や車が通れる道をつくるためのものだ。


 大きな機械を使ったり、たくさんの人の力が必要になる。


 トンネルを掘って体を貫通させられるのは痛いが、仕方がない。


 それは、弱い人間が、文明を発展させるためだから。


 だって人間、あっちからこっちにいくために、山の中でしょっちゅう迷子になる。それは可哀そうだし。


 それに山を迂回して、何時間もかけて移動するのは不便だろうし。


 だから、仕方ない。


 強い奴が弱い奴のために、我慢してやらないとな。


 決意を固める。


 やがて工事が始まった。


 ドリルが山を削っていく。


 じっとしながら、それに耐えた。


 それが何日も続いた。


 長い間絶えた山の下の方で人間達が喜んでいた。


「やった、これで便利になるぞ!」


 そうか、良かったな。


 自分達には心があるけれど、人間達が気に病まないように、その事は黙っていようと思った。



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