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「あはははははははははは」
「馬鹿な奴だ。まんまと引っ掛かりやがった!」
「ぎゃはははははは、見ろよコイツ。漏らしてやがる」
「こっちはクソだぜ。ぎゃははははは。イイ女が台無しだ」
「さぁ、残るはお前だけだッ。そろそろお仕舞にしよう───」
あの魔王を討伐し満身創痍で帰還してから、たったの半日……。
僕は……僕たちは仲間に奇襲されのたうち回っていた。
ここまで追い詰められてからようやく気付いたのだ。
裏切られた───と。
彼らは魔王討伐の先鋒。特殊部隊「勇者小隊」。
それは、人類最強から選ばれた数名からなる英雄たち────その中にいたはずの仲間。
いや、「元」仲間たち。
彼らは、「自らの醜聞の隠蔽するため」と「魔王を討伐した功績」を掠めとるために、僕を……──いや、僕らを殺した。
……殺された。
もう、僕とともに戦ってくれた戦友も死んでしまった。
だけどッ!!!!
死んでも……。
──死んでも忘れるものか!
奇襲された僕たちは、
まんまと食事に混ぜられた毒に侵され、
弱ったところを殴られ、蹴られ、血反吐を吐いた。
そこを切り刻まれ。
反撃もむなしく、
いまは、冷たく横たわっている。
そう、この地に這いつくばっているのは、千年に一度の逸材といわれた人類最強の戦士。
ザラディン。
その強さゆえに、国王から称号として「勇者」と呼ばれた。
だけど、僕は死んだ。
……殺された。
勇者の僕が、だ。
それでも、……だ!!
僕だけは殺されてもいい。
だって、僕は______だから……。
なのに、なのにどうして?!
どうして、僕の大切な戦友まで殺されるんだよ?!
どうして、あの二人まで殺されてしまうんだ……?
魔王戦に挑む直前。
物資不足と士気の欠如。
人類最強集団も所詮は寄せ集めだ。
だから、僕も連中もビビった。
あまりにも魔王とその配下の強大さに甘っちょろくも勝てると希望を抱いていた僕らは恐れをなしてしまった。
そして、命を惜しんだ仲間は尻込みし、
あまつさえ、戦闘が始まる直前に好き勝手にほざいて逃げていった連中。
逃げる前に彼らは言った。
「死ぬなら勝手にしね!! 犬死は御免だ!!……いかれ野郎ども!!」
「世界の平和?! 知るもんかッ! 世界より俺の命が大事だ!! だから、世界がどうなろうが知ったことじゃない!」
「アタシは逃げるわ! だって命はたった一つですものっ! ねぇ、今からでも遅くはないわ。みんなで逃げましょう? 頑張って戦ったって報告すればいいじゃない? どうせ───」
「ザラディン!! お前はどうするんだ?……オーウェンとカサンドラに付き合うのか!?───……そりゃあ、お前はいいさ───なにせ、お前には失うものはなにもないからな!! だけど、俺たちは違う!」
散々に好き勝手に宣う、クソ野郎ども……あ、女も一人いるな。
「わかった。勝手に死ねっ!…………俺たちは逃げる。お前らは犬死するがいいさ」
「……せいぜい魔王のランチかディナーにでもなるんだな!」
そう、言いたいだけ口汚く罵って逃げ帰ったくせに───。
そうとも──────……逃げたくせになんで!?
「うげぇ……!」
飲んだ毒が少なかったのか、それとも頑強な体のおかげか───……辛うじて生き残った僕は、死にかけていた。
……だけど、じきに死ぬだろう。
そんな中、走馬灯のように流れるほんの半日前のこと。
……かの魔王は強大だった。
けれども、残ってともに戦ってくれた二人。
女銃士カサンドラ。無頼の剣豪オーウェン。
彼らは紛れもなく勇敢だった。
皆がいう、勇者よりも───。
残ってくれた二人の仲間は力を合わせて戦い、魔王に致命傷を負わせ討伐に尽力した。
だけど、僕はそれを見守っていただけ。
酷い欺瞞だろ? 勇者と呼ばれた僕はなにもできなかった。
逃げた彼らより、何もしなかった僕が一番の卑怯者だ。
甘っちょろくも敗北し、無様に地に臥せていた僕は何もできず、ただ、そこにいただけ……。
魔王と戦って勝利したのは、カサンドラとオーウェンの二人だった。
その真実を知っているのは、彼ら二人と僕を含めた三人だけ。
その手柄を勘違いした、あのバカどもは真実を知ることなく、二人と僕を殺したんだ……。
そう、今ここに這いつくばる僕らは死んだ。
死力を尽くした僕らは、ボロボロの姿で野営地に戻り、まんまと待ち構えていたアイツらに殺された……。
その時は、野営地に立ち上る煙を見てホッとした。
いま思えば、バカバカしいけど……当時は露とも考えなかったんだ。
アイツらが───仲間が裏切り、食事に毒を盛るなんて……。
だから、いつもどおり帰還を告げた。
そんな僕らを、「僕」を待っていたのは逃げたはずのアイツら。
アイツらは言った。
逃げてすまない、と。
最後まで戦った僕らこそが、英雄だ───と。
真の英雄だ! そう言って歓迎してくれたアイツら。
心苦しかった。
僕が戦ったなんて嘘ッぱちだからな……。
英雄は僕じゃあない。
勇者は僕じゃあない。
……それでも英雄だ、なんだと迎えてくれたアイツらが───。
その笑顔の底に隠していた悪意に気づけなかったなんて!!
魔王のような剥き出しの悪意とは違う。
善意と笑顔と仲間面にコーティングされた、ドロドロの悪意に気づけなかった!!
だから───。
「うげぇぇええ……」
食事に混ざっていた毒に侵され、血反吐を撒き散らし弱っていく2人の仲間……。
それを嘲笑うアイツらクズ野郎ども。
せめてもの抵抗にと、反撃した女銃士のカサンドラの銃弾は裏切り者の拳闘王の片目を撃ち抜く。
激高したソイツは弱ったカサンドラを散々甚振った挙句、責め殺した。
それを笑いながら囃し立てるクズ野郎ども……。
カサンドラの隣では無頼の剣豪オーウェンが弟子の二人に切り刻まれていた。
普段なら絶対に負けないであろう聖騎士と神殿騎士の二人に……。
師匠を殺した二人は、大はしゃぎで彼の形見の二刀を分け合う。
そして僕は、高貴な血をひく大賢者と聖女の2人に押さえつけられ、カサンドラとオーウェンの死にざまを見せつけられていた。
「あらら? これが剣豪と銃士の最期ですか? 呆気ないものですね。もう終わりですか」
「きゃーはははは! 魔王討伐したっていうからもっと手こずると思ったけど、つまんな~い」
ニヤニヤと笑う二人。
「ということは魔王も実際は大したことないんじゃないか?」
「あはは、言えてる言えてるぅ……。くくく。じゃぁ~ねー、勇・者・さ・ま♪」
チロリと僕の耳朶を舐めた聖女が「ブチィ!!」と、躊躇なく耳を噛みちぎった。
それを、ムシャムシャと、さも旨そうに咀嚼する。
毒で弱った僕はロクに抵抗も出来ずに、自分の血反吐に溺れていく。
毒のせいで徐々に開いていく瞳孔の先に、せせら笑うアイツらと────冷たくなって哀れな骸を曝す2人の仲間の姿が映る──。
バチが当たったと思った。
僕が殺されるのは当然だ。
いっそ、一人で殺されるならそれもよかった。
僕一人だけ殺して欲しかった。
だけど!!!
なぜ?
なぜ二人を殺した?
一番の卑怯者の僕ではなくて……、なぜ二人まで!?
「ど、どうして───……どうし、て」
おかしい……!
狂ってる…………!!
僕だけを殺せよ────!!
二人は関係ないだろぅぅぅうう!!
「───どうしてだぁぁぁあああああああああああああ!!」
絶対に許さない……。
絶対に……!
「どうして??……決まってるじゃないか?」
「邪魔くさいからよ?? バカじゃないの??」
じゃ、ま…………?
そんな、理由、で──────?????
「おぼ───」「さようなら────ザラディン……」
最後の言葉を吐くのも許されず、
僕が死ぬ直前に見た光景は、鞘ごと奪われた僕の愛刀──聖剣と、それを大上段に振りかぶる大賢者の姿だった。
ドンッッ!!
そして、
……コロコロコロと、生まれて初めて自分の首が転がる音を聞いて────。
段々、
視界が……。
暗くなっていく────。
(ち……ち、)
ギャーーーーーーハッハッハッハッハッハッハ!!
ゲハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!
アーーーーーーーハッハッハッハッハッハッハ!!
狂ったような笑い声だけが響くなか、僕は───。
僕たちは殺された……。
───畜生…………。
セカンドチャンス用に投稿!!
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よろしくねー!!!