悪夢
久しぶりに夢を見た 5年前のまだ俺の家族の生きていた時の夢
特別裕福だったわけじゃない かと言って貧乏だったわけでもない
父親はサラリーマン 母親は専業主婦 今年中学校に入学上がったばかりの妹
毎日が楽しくてとても充実していた・・・・・あの日が来るまでは・・・・
ある日部活がいつもよりも長引いて帰るのが遅くなった家に着いた時には7時を過ぎていた
しかし玄関はおろかリビングにも灯りが付いていなかった
(どっかいったのか?)まだこの時はそんな事しか考えていなかった しかしもうこの時悲劇は起こっていた
(なんだ鍵あいてるじゃん 鍵閉めてから出かけろって言ってる割に忘れるんだよな母さん)
そう思いながら玄関で靴を脱いだいや脱ごうとしたその時目にしたのは3足の靴 履かない靴は靴箱の中にしまってある しかも男物の革靴に女物の靴それにキャラクター物の靴 どう考えても父さんたちはこの家の中に居る そう結論付けた時にふと鉄のような臭いが回りに漂っているのに気が付いた(血の臭いか? でもなんで家の中で?)疑問に思ったのは一瞬だった 今の状況を思い出して考えた答えが最悪だったからだ
「父さん!母さん!由美!誰でもいいから返事をしてくれ!」
大声で叫んでも返事は返ってこない それどころか血の濃い臭いがリビングから漏れていた すぐさま背負っていた竹刀袋から
竹刀を一本取り出してリビングのドアを蹴破って中に入った 中には玄関と比べられないほど濃い血の臭いがしたそしてそこには父さん達はいなかった・・・・・・そこに在ったのは大人二人分位の肉片と化した死体と心臓を貫かれた少女の死体だった
(何っ・・・だよ・・・これは・・・うっ・・・嘘だよなこんなの・・・っ何だ!)
何者かの攻撃を間一髪避けた俺がさっきまでいた所には血のついた槍が刺さっていたのだ床のきしむ音を聞いていなかったら父さん達のようになっていた
「やい! 出てきやがれ! てめーの相手はこの俺だ!」
ただ怒りに任せて怒鳴ってみても反応は返ってこない(逃げたのか?)安易な考えをするのはまだ早かったらしい 殺気が俺の体を射抜いたからだ しかも今まで感じたことのないとてつもない大きさの殺気がこの部屋を満たしている 自然と竹刀を握る手に力が入る (マジかよ・・・こんなのホントにいるのかよ)しかし次の瞬間に目の前現れた殺気の塊の姿を見て俺は言葉を失った 誰でもいきなり鬼が姿を現せば現実かどうか疑いたくなるだろう
「お前なのか俺のっっ!」
鬼は俺の問いかけに答えるどころかいきなり心臓めがけて爪を突き刺れた
「がはっっ!」
鬼の爪は正眼に構えていた竹刀を粉砕して俺の心臓を貫いた 体から血が抜けていく感覚と意識が遠のいていく感じ体に力が入らなくなる
(こりゃー明日朝気分最悪だな) そう考えながらも前を見ようとするしかしもう目を開けられなくなっていた