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夢見編1

次の話を投稿するのに時間がかかってしまい、申し訳ございませんでした。

ちょっといろいろありまして、なかなか書くことができませんでした。

今回は書きなぐりで書いておりますので、非常に読みづらいものになっております。

読者の方にご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございませんが、1秒でも面白いと思っていただけたら嬉しいです。

 銃声と共に目が覚めた。

 夢を見た。

 僕が死ぬ夢だった。

 名も知らぬ女の子を庇って死ぬ夢とか、夢に見た光景だった。

 でも、もし本当だったらと思うとあの後どうなったんだろうか。

 目の前が暗くなって、女の子の声が遠のいていって、血が流れて痛いはずなのに、それでも僕は変に冷静だった・・・と思う。

 多分現実味がなかったからなんだと思う。

 きっと研究ばかりで気疲れしてたから、あんな夢を見たんだろう。

 

 まあ、人を庇って死ねるなら本望だ。

 昔あこがれたダークヒーローみたいで我ながらいい夢を見れた。

 そう思って安どの息を吐いたが、全身汗だくになっていることに気が付いた。


    ***


 僕は昔から誰かを守れるようにと思いながらも、ずぼらな生活を送っている。

 よくいる言葉だけのやつ。

 同族嫌悪ばかりな毎日で、それでいて苦しいのは嫌いなのに、家族にお金を出してもらっていることを認識しているから、頑張って大学を留年せず卒業を目指している。

 成績は大体CかB。

 Aが取れたらビールを開けて乾杯する。

 まあ、いつも一人飲み会をしているから、陽キャたちみたいなものは少しあこがれてしまう。

 だからなのか、にぎやかな人が目に入る。

 こんな大学にあんな元気な奴らがいるんだな。

 僕は心底ありえないと思った。

 なぜなら、ここは研究室に籠って、永遠に教授に課せられた課題をこなす毎日を送るのが日課だからだ。

 夢に見た大学生活なんて、現実にはなかったことを、研究室に配属したときに気づいた。

 友達がいたら、なんか情報があって逃げられたかな。

 楽して卒業したい僕には、とても生きることが無意味に感じてしまう空間でしかたなかった。

 ぶつぶつ考えていると、いつもの研究室があった。

 なんでか、足が重かった。

   *


 「風間くん」

 「はい」

 低く心臓に響く声に反射的に答える僕は、声がしたほうを向く。

 高田教授だ。

 「最近はあまり元気がないね」

 「まあ・・・」

 不思議そうな顔をする教授に対し、僕はいたたまれない気持ちになり、下を向いてしまう。

 「課題は終わったか?」

 「あ、いえ・・・。ちょっとうまくできなくて・・・」

 「君に渡した課題はたいして難しいものではなかったはずだが」

 「す、すみません」

 ほかの同期が小さく笑う。

 同期は卒業研究をしている。

 その中でも、いまだに僕は大学2年レベルのプログラムができていない。

 本能的には簡単にできるとわかるのに、どうしても解くことができない。

 そんな自分に嫌気がさす。

 わかっているから、より・・・。

 「もう少しで卒業研究に取り組まないと卒業できないぞ」

 「はい・・・」

 高田教授は軽い溜息をして残りの課題を1日延期してくれた。

 僕は頭を下げ、教授が部屋に戻るのを見届ける。

 その背中は、僕には言葉にできなかった。

 少しあたりを見渡すと、みんなそっぽを向いて作業をしている。

 何とも言えない気持ちになり、僕は研究室を出た。

 どうして、僕はこんなにもできないんだろうか。

 ただ、悔しさにのどが詰まった。


   ***


 コンビニ帰り。

 僕は、レジ袋に入った菓子パンとコーヒーを、腕を振ると同時に少しぶらぶらさせていた。

 虚しさばかりの日々に、生きる理由が見いだせないままだった。

 この感覚はもう約20年間引きずっている。

 小学生の頃は、ただ前向きに勉学にも取り組んでいた。

 でも、中学で残酷な人間性を持った集団を目の当たりにして、僕は人間に恐怖を覚えた。

 そのせいで、今も人間が怖いままなのだ。

 だから、コミュニケーションが大事な大学は、僕にとっては苦痛を具現化した世界だった。

 そして、いつも考えていることがぐるぐる回って、答えに行かない。

 辛くなってくると、いつものめまいがやってきた。

 「・・・少し休もうかな」

 僕は、緑が生い茂った休憩所に向かった。

 道中、空に輝く太陽を見て、思う。

 どうして、こんなにも世界は生きづらいんだろうか。

 身に入る光は、僕を殺すような気がした。

 

   *

 

 休憩所につくと、誰もいなかった。

 今は13:30。

 研究室を出て2時間過ぎていた。

 ゆえに今は講義中だし、普通は研究室に閉じ込められているはずだ。

 でも、僕はほっつきまわっている。

 後で怒られるんだろうな。

 そう思いながら、僕はベンチに座り、買ってきたものをレジ袋から取り出す。

 そして、今日初めてのご飯を食べた。

 菓子パンは甘い。

 世の中とは反対だから、好きなのか。

 何を言ってんだ、僕は。

 いつも、自問自答ばかりが癖になっているから、脳内はいつもパニック。

 言いたいことがまとまらない、

 だから、何もできないのかもしれない。

 今更気が付いた。

 でも、簡単にこの癖は直せないよ。

 この時、あの夢を思い出した。

 「あ、そういえばあの夢、どうして見たんだろうか。」

 あまりにも現実的だった。

 あの光に包まれた僕は、ただ今の状況がどうなっているのかだけ考えていたっけ。

 「それにしても、本当にすごい梅だった。」

 出た言葉は、小学生並みの感想だった。

 一度よく思い出す。

 今は、なぜか落ち着いた。

 そして、最後の少し前を思い返す。

 あの世界はどこだったのだろうか。

 もし、現実だったら僕は特別な存在だったのだろうか。

 それはまさに、僕が思い描いた出来事。

 あれが、現実の出来事だったら、僕は女の子を守りきれる存在になってたはずだ。

 ・・・なんて、そんなことありえないけど、そう思いたい。

 でも、最後は死んでいった。

 何か、銃みたいなもので撃たれて。

 撃った本人は黒いフードを深くかぶっていたせいで、よく見えなかった。

 そして、女の子は豪華な服装をしていた気がする。

 もしかして、女王様とか?

 胸アツ展開にもほどがある。

 ちょっとだけに焼けてしまう。

 ただ、なんであんな庇う行動を、僕はどうしてとったのだろうか。

 女の子をつかんで走れば、二人とも生きていられたんじゃないか?

 これは仮説だから、いくらでもパターンが作れる。

 でも、最後はどうしても撃たれてしまうイメージになる。

 しかも、結局庇って。

 頭が痛くなってきた。

 頭を抱える僕に、誰かが近づいてきた。

 それに気が付いたのは、声をかけられた後だった。


  *


 「教授は、どうして僕を責めないのですか?」

 「どうしてだろうね」

 笑顔が、逆に怖い。

 おびえる僕を、教授は柔い声で言う。

 「君はどうして、この大学に来たんですか?」

 添えは、誰もが一度は考える問題だった。

 僕は、将来安定した生き方がしたかった。そうすれば、親も不安にならないだろうし、僕も考えることが少なくなると思ったから。

 ただ、正直に言っていいものだろうか。

 答えようとしたが、迷う。

 そして、また下を向いてしまった。

 さすがに怒鳴られるかな。

 そう思っていると、教授の発した言葉は僕の予想の斜め上の言葉だった。

 「無理をしているね、君は」

 「え・・・?」

 それは僕の胸に針が刺された感覚だった。

 「最近の君は、目の下にクマが増えている。気づいてた?」

 「まあ、それは・・・」

 「君は寝られていない。その理由はきっと複雑なものであると私は考えている。」

 それはそうだろう。だって、僕にもわからないから。

 「多分だが、君は現実に意識を向行けていないのだろう」

 現実に意識を向けていない?

 どれはどういう意味なのか全く分からなかった。

 「僕が現実を見ていないとは、どういう意味なのでしょうか」

 初めて教授の顔を見た気がする。

 「やっと目が合ったね」

 教授は笑顔になって、僕の肩に手をポンポンと軽くたたいた。

 僕は抜け殻のように見ていた。

 「そうだな、簡単に言えば、君はこの世界のギャップのせいで、どうしようもないんだろう。それは、禍々しく、そしてドロッとしたもの。君はそんな世界に包まれてしまったために、現実から目を背けるようになったんじゃないかね?」

 いくつか刺さる言葉があった。

 それは、針というよりはナイフのようなものだった。

 「どうして、そう思うんですか? 僕はただ、みんなに迷惑をかけたくなくて・・・」

 「君は正義感が強いと思っているのかな?」

 「まあ、そうですね」

 「それは、本当に君が求めた正義なのかね」

 「は?」

 意味が分からない。

 さっきから直観的に理解しているが、本能的には理解できていない。

 だから、パズルのピースが砕けているような感覚に陥っていた。

 教授は続ける。

 「正義は、誰かが定義付けたもの。私はそう思う。そして、この考え方は一部の人間も理解できる。ただ、人の持つ正義は何をきっかけに生まれたものなのだろうね」

 「・・・定義?」

 「そう。例えば、私の正義の定義は傷つく人に寄り添ってあげることが正義なんだ。でも、この正義は、私が好きなアニメの主人公が言った言葉がきっかけなんだ。」

 そういう意味なら、僕はなんだ?

 僕は、人に迷惑をかけたくない。

 でも、今はどうだ?

 たくさんの人に迷惑ばかりかけている。

 じゃあ、僕の持つ正義ってなんだ?

 目の前が暗くなった。

 「悪気があったわけじゃないんだ。ただ、今の君には何か変わるきっかけが必要と思ったんだ。洞察力は自慢できるものでね。」

 涙籠った声で、僕は教授に言う。

 「悪気がなくても、性格悪いと思います。」

 「そうですかな?」

 「はい。まるで死体蹴りだ。僕はそういう難しいことをすぐに考えて答えを出すことができません。だって、難しいからです。意味が分からないからです。そんな脈絡のない話をいきなりするとかわけがわからない。あなたは、意地悪な人です。失礼とわかっていますが、どうしても今言いたい気持ちになりました。だから言いました。申し訳ございませんでした。」

 教授は笑顔を変えないままだった。ただ、

「気持ち言えたね。やっと聞けた。」

 と、小さい声で教授はそう言い放ち、背を伸ばしながら研究室に戻っていった。

「まあ、課題残ってること忘れないでくださいね~」

 現実をたたきつけられた。

 最後の最後で。

 なんか、少しだけ感情的になれたことで、ほんの1㎜だけ気が軽くなった気がした。

 脱力して、またベンチに座り込んだ。

 そして、思い返す。

 僕の正義か・・・


   *


 深夜1時。僕は課題をやりきることができた。

 僕は教授に業務用の連絡ツールのチャットで完了報告をした。

 荷物をまとめながら、教授のいる部屋をみる。

 まだ、明かりがついている。

 博士になるのってしんどそう。

 そう思った。

 通知音が鳴った。

 教授からだ。

 通知内容を確認すると、明日以降の日程についてだった。

 

 『全体連絡。

  明日から3日間は夏休みです。本来なら登校してもらう日でしたが、大学の工事の関係でお休みです。数少ないお休みなので、羽目を外しすぎないよう過ごしてください。

  以上です。』


 え、休みなの?

 僕宛の通知じゃない限り、このアプリを開く機会がなかったから知らなかった。

 普通張り紙があるもんだと思うけど、一度も掲示板にはなかったぞ・・・。

 なんだか複雑な気持ちだったが、かなりうれしかった。

 久しぶりのお休みだ。ゆっくり寝よう。

 そう浮かれていると、僕宛に教授から通知が来た。

 浮かれていたこともあり、一気に地に叩きつけられた気分になった。

 「ま、まさか僕だけ特別講義とかじゃ!?」

 青ざめながら通知内容を確認する。

 そこにはまた斜め上の回答だった。


 『風間君。お疲れ様です。

  軽くですが課題内容を確認しました。

  ちょっと間違えがありましたので、休み明けにミスを確認してください。

  あと、とりあえず卒業課題は私もサポートしながら少しずつ進めていきましょう。

  内容も休み明けに確認してください。以上です。』


 よ、よかった。

 休み返上とかじゃなかった。

 というか、卒業研究に入れるんだ。

 よかった、どうなるかと思った。

 教授には迷惑ばかりかけているが、支えてくれるなら何とかなるかな。

 そう思うと気が楽になった。

 教授がいる部屋を向いて一礼。

 そして、僕はそそくさに研究室を出て、軽便室の前から帰宅した。


   ***


 外は静かだった。

 車の音もしない。

 風は少し湿っていて、鈴虫の声もする。

 ああ、心地いいな。

 今日はちょっと心えぐられたけど、いいことあったな。

 てか、何とか課題できた。

 少しだけ気が楽になったおかげで、落ち着いて問題が読めた。

 だから少しずつ教本とか読んで答えてみた。

 論理的な問題はよくわからないけど、一度わかれば一定の問題はどうにか解けるようになった。

 正直わからなかったところが大半だけど、自分なりに答えを導いてみた。

 久しぶりに解いた感覚があった。

 頭が痛いけど、すがすがしい気持ちでいっぱいだった。

 それに明日は休みだ。

 コンビニ行って、晩酌するぞ!

 ウキウキしながら、軽く早足でコンビニへ向かった。

 

 コンビニであ、かにかまとビールとから揚げを買った。

 気分のいい日はこれに限る。

 楽しみで仕方がなかった。

 今日は奮発して、エ〇スビールを買った。

 あの苦さがたまらない。

 いつもは一般的なビールなんだけどね。

 袋からはわずかにから揚げのにおいがする。

 おなかすいたし、早く帰ろう。

 コンビニに来たテンションを維持しながら帰路に就いた。


  ***


 「ただいま」

 誰もいないけど、癖で行ってしまう。

 暗い部屋に明かりがつく。

 そのまま手洗いとうがいを済ませ、リビングへ向かう。

 1K6帖の部屋にはパソコンと勉強用の机と布団一式、そしてこれらの間にローテーブルがある。

 僕は、布団の上に座って、ローテーブルに買ってきたものを広げる。

 なんだか、今日のご飯は輝いて見えた。

 ものすごいおなかすいた。

 いてもたまらず、手を合わせて

 「いただきます!」

 といい、ビールを流し込みながらおつまみをつまみ続ける。

 いつも以上に幸福感があった。


  ***


 「酔った」

 ビールを飲み切り、おつまみも食べ切った2時。

 これで寝ればもう満足な状態。

 幸せになった僕は独り言が増える。

 「うーん。なんだか嫌なことがありつつもいいこともあったなぁ」

 久しぶりに頬が緩む。

 最近は暗い気持ちに侵されており、笑うこともなかった。

 家に帰ってきても、布団に倒れてそのまま目が覚めていた。

 そんな日々だったから、軽く涙がこぼれた。

 「なんで泣いているんだよ、僕は」

 うれしかった。

 ただそれだけだった。

 そう思うとやすらかな状態になり、いつもの脳内会議もなかった。

 目をつむりながら、なんとなしに今日の出来事を振り返る。

 そうだ、現実って怖いけど、どうにかなるもんだ。

 教授も案外優しかったし。

 でも、

 「ほんと、意味わかんないこと言われたなぁ。なんであんなこと聞いてきたんだろう。ほんと意味わからん。それに・・・」

 夢のことを振り替えようとした瞬間、僕は意識を失った。

 


  *


 目をつむりながら意識が戻りつつあった。

 なんか、よく寝たな。

 まだ外は暗い気がする。

 なんか、夜中に意識が戻っちゃったのかな。

 久しぶりの休みだし、もう少し寝たい。

 目をつむりながら、二度寝しようとしたとき、耳鳴りがした。

 「!?」

 声が出ない。

 怖くて仕方がなかった。

 金縛り!?

 ど、どうしよう、どうすればいいんだ!?

 焦る僕は、今の状況がどうなっているのか皆目見当がつかない。

 声を出そうとしても声が出ない。

 ただ、無意識に少しずつ目が開き始めていた。

 僕の意識を無視して。

 恐怖がさらに募る。

 そして目が開き、視界が戻ると目の前に黒い何かがいた。

 目が赤い。

 でも影のように黒い姿。

 ただ怖い。

 いまはそれだけだった。

 でも、黒い何かが僕に対し何かしゃべりだした。

 「オ・・・マエガ。。。ア・・イノ。。**:・」

 うまく聞き取れない。

 なお焦る。

 あまりの恐怖に僕は意識を失った。

 

   *

 

 意識が戻る。

 瞼を超えて光が目に届く。

 あ、朝だ!

 とっさに目を開ける。

 目が慣れていないせいか、なかなか周りがわからない。

 でも、僕の目は一向に良くならない。

 あれ、おかしいな。いつもの部屋なのに、なんかよく見えない。

 おかしいと思いながら、僕は体を起こして洗面所に向かう。

 場所は感覚で覚えておるが、さすがに壁に手を当てながら向かった。

 そして、洗面所について顔を洗う。

 タオルで顔を拭き、顔を上げる。

 やっぱりよく見えない。

 世界が霞んでいるような、ぼやけて見える。

 なんだろう。

 きっと疲れているだけで、よく見えないだけか。

 時間が経てば戻るだろう。

 そう思ってたけど、それから2時間経っても視界は戻ることはなかった。


読んで頂き、誠にありがとういございました。

以前の内容から一遍しました。

私個人は、主人公の心情を描きすぎた気がして、少しうざい印象を与えてしまったと思いました。

次回はもう少し考えて書いてみようと思います。

それでは、また次回お会いしましょう。

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