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とりかぶと

われながら書いていて展開めちゃくちゃじゃない⁈ってなってます…

移動教室の途中で槙は立ち止まり俺に言った。


「朔。窪田家ってきいたことあるか。」


「窪田という性自体には聞き覚えはない。でも。昔いたのは覚えている。“菫”は“菫”だけは双子だった。“スミレ”と“トリカブト”なんだよ。」


もう俺はあの時代の俺ではない。だから、俺のなかの俺はそんなにはっきり覚えているわけじゃない。で

も俺の中の俺じゃない俺は確かに覚えている。菫には気を付けろ。警鐘を鳴らしている。


「双子か。朔、今の時代に双子だったものがただの分家になっている可能性はあると思うか。」


俺は口をつぐんだ。これ以上今の槙に教えていいことなのだろうか。可能性はほぼ確実といっていいレベルで今の橤族に置き換えるならかつて双子だった彼らは分家になっているだろう。そこまで言おうか。どこまでだったら槙に負担をかけないだろうか。そこまで考えて俺は口を開いた。


「相変わらず鋭いのな。はっきりとは言えない。でも可能性はあるし、あの窪田ってやつ怪しい。だから、警戒するに越したことはない。」


「朔は相変わらず秘密主義なのな。わかってる。なにか嫌なにおいがする。あの窪田登里。」


槙は少し悲しさと厳しさの混じった眼をして、でも努めて普段通りに明るく装って続けた。


「朔、秘密主義もいいけど、俺は何も知らないガキじゃない。あと、朔おまえは朔という人間としては俺と同い年なんだ。お前が人間で人間じゃないことなんて知っているけど、もう少し幼馴染としての破笠槙君を頼ってくれてもいいんじゃないすかね。槙ちゃん悲しくて泣いちゃうからね。」


ああ、槙には本当に敵わないな。いつも俺のことを察してすぐに何かを言ってくれる。


「分かってるよ。ありがとな。あ、あと最後に一つだけ、玲美さんはまだ何も知らない。白、だよ。」


「そうか。よかった。んじゃ、朔ちゃん、こののままじゃ授業に遅れるしそろそろ行こう。」


槙はほっとしたような顔をするといつもの調子を取り戻してついの教室に向かい始めた。その姿は極めて日常のようなのになぜか俺には懐かしく、なにか悲しく思えた。


今朝のあやしい菊花の発言やそのあとすぐにやってきた窪田登里という謎に包まれた人物などまるで一切なかったかのようにいつものようなつまらない授業をうけつつも、俺には疑問が残っていた。最近、俺の周り、いや、全体的に俺という全体的に。奴らは最近俺の周りに現れすぎているし何よりやはりあの窪田登里という男、おかしい。しかもなぜ菊花はあいつのことを知っていた?疑問は募るばかりだ。


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