表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
京都学生格闘譚  作者: 真曽木トウル
第4話 アイドルの殺傷力偏差値
41/145

アイドルの殺傷力偏差値(4)


◇◇◇



「結局、それはなんの暗器だったんですか?」



 その夜。上泉邸。大座敷。

 慶史に尋ねられた和希は首を横に振る。



「笑ってごまかされた。

 感触から言うと、結構、ガチで刺さる系な気がしたけど。

 ほら」



 和希は自分の服の脇腹を見せた。

 ごく小さな穴だが、なにかが刺さったところがはっきりわかる。

 脇腹の傷を見せようと、和希は服をめくって見せた。



「…え?…あの?? 和希さん??」


「なに?」


「いや、なんでもないです………よね…。

 えっと、しっかり刺さってますね。

 タクティカルペンとか、女性の護身用具あたりかなと思ったんですが、もっと殺傷力が高そうな」



 和希の脇に残る傷跡から、何故か若干目をそらしながら慶史がいう。

 バキバキの女の腹筋(古傷多少あり)がそんなに苦手だったのだろうか。一応次から気をつけよう。



「しかし、仮にも、友達のふりしてくれっていう相手に、随分手荒なことしてくれるよね」



 呆れたように笑う和希に、「……でも。なんか和希さん楽しそうですね」と慶史は尋ねる。



「え? どこが?

 痛い思いしたし、結局大文字山競走は部長の負傷により延期だし、なにも楽しいことなんかないけど?」


「そうですか? でも…」



 慶史が何事か言いかけた、その時。



「お風呂っ、あがったぞーー!」



 そう、大声でぱたぱた走ってきたパジャマ姿の知有。


 そして、そのあとをすすすっとついてくるのは、なぜか、しれっと家主とともに風呂に入ってきた曲者、IoRi(イオリ)

 こちらは上泉邸で貸し出された浴衣を着ている。


 長い髪をくるりと緩く器用にまとめたその姿は、昼間暴挙に出た曲者とわかっていても、清楚かつ色っぽく見える。浴衣恐るべしというか、規格外の美女恐るべしというか。

 うん、こっちなら目をそらすのもわかる。和希でさえ若干目のやり場に困る。



「久しぶりに人とお風呂に入った!

 今度和希も入ろう?」


「いや、ちょっと、私は、あんまり人と入るのは……」


「じゃあ慶」

「却下します」

「なんで和希が即答!?」

「先輩として後輩がセクハラを受けるのは見過ごせないので」



 セクハラと言われて、むー、とむくれる知有。

 慶史が笑いながら、和希にドライヤーを差し出すと、和希はコンセントに刺してスタンバイした。



「髪、かわかすからこっち来てください」



 言われると、さっさと機嫌を直したか、知有は、とてててっ、と和希のもとにやってくる。

 ちょこん、と真ん前に背中を預けて座った知有の髪に、まずタオルをかぶせ、ぽんぽんとタオルで水気をすいとる。


 そうして、ドライヤーのスイッチを入れた。


 低めの温度に設定した風に、知有の髪が舞い上がる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ