小話:アドーニスへの理不尽
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2話のあとの和希と慶史の会話。
イケメンすぎて女にモテすぎて不幸を呼んでしまう新入生、鈴鹿尋斗について。
「え!!
鈴鹿って自分で髪切ったりしてるんですか?」
「高校のときはそんなこと言ってたなぁ。
今はどうか知らないけど」
「すごいなぁ……服もシンプルにおしゃれですよね。
ナチュラルにセンスがいいんですかね?」
「まぁ、顔のよさでかなりの不幸にあってるけど、それでも自分の持って生まれた顔や体に対しては、愛着があるんだと思うよ」
「そうですね。
俺も、大変だとわかってても、1日でいいからあの顔になってみたいなって思ってしまいます」
「君の顔も私、好きだけどね。
ただ、鈴鹿は、顔のせいで女が大量に寄ってきたり互いに争ったりストーカーされたりすることを、友達に相談しても、結局自慢かって言われて。
中学の頃に一時期、全力で女避けのために色々試したんだって。
女受け悪そうな服を着たり、ボウズにしたり、片眉剃り落としたりしたらしい」
「……………………うわ。酷い友達ですね。
そうしたら?」
「まず、自分の好みにも合わない、女受け悪そうな服を着てみたところ。
結局学校では制服を着るから意味がないし、何着たところで結局それが好みな女もいるし、ただただ自分がストレスが溜まっただけだったそうだ」
「……かわいそう」
「ボウズにしてみたら、さすがにちょっと減ったけど、やっぱり自分自身のストレスが、相当半端なかったとか。。。」
「段々心が痛くなってきました」
「片眉剃り落とした時は、さすがに一時期、周りから女も男もいなくなったけど、そのかわり、担任の先生がすごく心配してくれてしまって、罪悪感半端なかったとか」
「俺でも心配します」
「しかも、その話にはオチがあって」
「嫌な予感がするんですが」
「これら一通り試して結局無理だっていう結論になって、疲れきって諦めたのに、同じクラスの男子たちには相変わらず、モテ自慢かとか、異性の気を引くような髪や格好してるからそんな目に遭うんだとか、そんなにモテるのが嫌なら整形すればいいのに云々、言われ続けましたとさ」
「……………………………………」
結論:
他人はクソ理不尽である。
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