表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
京都学生格闘譚  作者: 真曽木トウル
第7話 サークラ美少女を護衛せよ
100/145

サークラ美少女を護衛せよ(11)




「…………なんだよ………」



 教室内が、上を下への大騒ぎになる中。

 よろ、よろ、と立ち上がった男が、紗紅の前に寄ってくる。



「お前がされたことには、同情するよ。

 でも、それで、なんでみんな、サークルのみんなを巻き添えにして、カップル壊して、みんな傷つけて、めっちゃめちゃに、荒らしてるんだよ。関係ないやつまで。

 ほとんどの奴は、何にも知らなかっただろ!!」


「知らないことは罪らしいですから」



 小首をかしげながら、紗紅は微笑む。



「同じ集団の中でいながら、気づかない。

 知らないほうが、悪いと、部長の理屈に従えばそうなりません?」


「罪だって言ったのは、部長とあいつらだろう!!

 それ以外の奴に、なんで、なんで!?」


「そうですよねぇ。

 私もおかしいって思います。知らない方が悪いだなんて。

 ねぇ、三条さん。どう思いますか?」



 急にこちらに振ってきた。



「それが罪だと教えられないまま、罪をおかした人。

 それを罪だと知っていて隠そうとした人。

 なにも知らずに周りでのほほんと生きていた人。

 なにも知らずに私に騙された人。

 そして、不文律というものを知らないままで、被害にあった私。

 三条さんは、誰が一番罪が重いと思います?」


「………………………」



 いや、レイプ犯に決まっているのだが。



「…………けん、な…………」



 男が、うめいて、紗紅に近づき、喉元を掴みあげた。



「好きになったんだよ。

 好きだったのに……ふざけんな…………」



 首を締めるその腕に和希は飛び付いてはがすと、男の体の下に潜りこみながら、その体を背負い投げた!

 ゴロンッッ!!と転がり床に叩きつけられる男。



 本当に。

 慶史を連れてこなくて良かった。



「お、おまえの、せいで!!!」



 床に転がった男をまたぎながら、拳をふりかぶって紗紅を狙おうとする女。

 和希が腕の付け根に掌底を打ち込むと、そのまま、床に落ちている男の上に勢いよく尻餅をつく。



「…………なんでよ、なんで…………」


「!!」



 紗紅の髪を掴む、部長。

 グイと乱暴に引っぱる。

 和希はとっさにその脇腹に蹴りをぶちこんだ。

 部長の体が蹴り飛ばされ、壁に当たってそのまま床に崩れ落ちる。

 

 ……うん、心配以上だコレ。


 男も女も、紗紅と和希を狙い出していた。

 紗紅の信奉者らしい男たちが何とか止めようと助けてくれているが、多勢に無勢。


 ああ、めんどくさい。



「失礼!」


「え、ええ!?」



 和希は紗紅の軽い体を肩に担ぎ上げると、そのまま机や椅子や倒れている人間たちを乗り越えて、走り走り、外まで脱出した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ