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異世界募兵 ~another world  作者: Fuyu
第1話
3/12

未知の生物

あの後俺とニルは町を目指して森に移動していた。


指の痛みに耐えながら歩いていることを察したのか


「おまえ随分とよわっちーんだな」


とからかうニルに対して


「絶対仕返ししてやるから首洗って待ってろよ」


と言うも


「ぜったい……何言ってるかわかんね」


通じないのが悔しい。


「にしてもこの森も相変わらず物騒な所だな」


そう言ってどこからか大きな鉈みたいなものを取り出し


目の前にある木の枝を切りながらあるく。


俺はその後ろについていった。


「ってお前手ぶらか?弱いのに大丈夫なのかよ」


弱いは余計だが確かに外国の森は危険な虫が多いって聞く


何か借りたほうがいいかもしれないな


「ナイフ貸してくれ」


「ナイ……ああ武器か。


他世界にきて武器も持ってきてないのか


確かに場所によっては刃物や特に飛び道具関係の凶器は持ち込み


禁止してるが最近はそこまでいわれないぜ」


他世界ってどういう事だ?外国じゃないのかここ


「おまえもしかして初めてか?


それともここに亡命か?たまにいるんだよな」


「亡命!?違う違う」


俺は激しく横に首をふった。なんとか通じたらしく


「そうだよな。悪い無駄な詮索しちまったな」


といいながら俺にリレーに使われるバトンのようなものを渡した。


「コルスティックっていって


俺の世界ではかなり重宝してるやつだ。


これのすごいところは想像した物に変形するんだぜ


微量の脳波を感知しやすい物質で単純なものになら変形可能だと


とりあえず使ってみろよ。使い方は頭の中で


物を想像しながら真ん中ボタンを押すだけだ」


へー俺の知らない間に外国ではこんなすごい道具があるのか


いわれた通りに試しにナイフを想像しボタンおした。


するとみるみるバトンが変わっていったそして想像どおりのものになった


…果物ナイフに


「ぎゃはは!おっおまえなんだそれはッ


パンにマーガリンつけるんじゃないんだぜっぎゃはは」


どうやら俺は外人を笑わせる才能があるらしい


ニルは俺のバターナイフをみてわらっていた。


それからしばらくしてちょっとした殺意で割と


軍用ナイフ(実物はニュースで見た時ぐらいなので曖昧)に似たものに変形したバトンを使い


俺もニルと木の枝をきりながらもくもくと森を進んでいく。


見たことがない花や虫、そこらに謎の液体がついた木々


と地元じゃ決してお目にかかれない物ばかり


というかテレビでもネットでも一度も見たことがないここは


本当に俺がしっている地球か不安になる


せいぜい親近感を覚えるのは雑草ぐらいなものだ


それでも色が青いが


そんな奇天烈な森を切り進んでいく


慣れていないことをしているせいか


そろそろ腕とか指、体力が限界に近くなってきたとき


「もうすぐ町につくな」


とニルがつぶやき前を指差した


先には棒人間みたいなのが町の門の前に立ち


前方向を示す矢印が描かれている


看板が建てられていた。


よくわからない文字が絵の下に


記されていたが全く理解できない…が絵を見る限り


出口ということだろう。


俺は思わず「よっしゃ」とガッツポーズをし


急いで看板が示す方向に足を速めたが


「ちょっとまて」


とニルは俺を制止するかのように前にでた。


「なんだよ」


文句を言ったのを察したのか看板の少し先を指さす


見ると何か大きい生き物が動いた。


熊だろうかと思い俺は息をひそめてよく見てみる


しかしそれは熊ではなかった。


体つきは確かに熊だが体の色は緑色で


よだれが垂れている口から長い牙がありおまけに頭には角が生えている。


やべえまるでゲームに出てきそうなモンスターだ。


「タイガーベアーだな。なんでこんなところにいるんだ」


どうやら普段はこの森にいる生き物ではないらしい


にしても角を除けば確かにトラ熊だな。


トラ熊は俺たちに気づいてないらしく看板近くにある木を揺らしていた。


「あれは海辺や川がある森に生息してるって聞いたぞ


なのに川もなければ池や沼もない森になんでいるんだ。


情報の誤りかよ」


どうやらあの生物を知っているみたいだというかどこからの情報だ?


UMA関係のオカルト掲示板か?書籍?


「おまえあいつを倒す自信あるか」


「いや無理無理絶対死ぬって」


ニルの問いに俺は言葉が伝わらなくてもわかるよう大げさに首と手を横に振った。


「しかたない。おいタクちょっくら追っ払ってくるから後ろ確認してくれ


タイガーベアーは稀に群れで行動しているらしい


情報は信用できないが仲間がいると厄介だ


確認したら肩を叩け」


そう言ってニルはさっきまで使っていた鉈をバトンにもどしトラ熊を凝視する。


俺は後ろを振り返りあたりを見渡す。


トラ熊ぐらいの大きさの生き物は見当たらない事を確認し


ニルの肩を軽くたたく


「たたき加減的にいないってことだな


よしお前はそこでかがんでまってろよ」


そういいニルはトラ熊の方にそっと足を進める


まるでトラ熊に狙いを定めるように右手でバトンを持ち


右足を常に前にだしながら移動していた。


ニルの右手とバトンが看板があるところにさしかかったところでトラ熊がニルに気づく


トラ熊は体を曲げ唸り声をあげながらニルの方ににじりよる


体を曲げながらでもニルより大きく人二人分の横幅


決して俺なんかが何とかできる生き物じゃない


しかしニルは臆することなく前に進んでいく


トラ熊の鼻とニルの持っているバトンがあと数十センチの時


ニルはバトンのボタンを押した。


するとバトンから先がとがったものが突然飛び出してきた。


突然のことでトラ熊はびっくりしたらしくその場から動けず


そして槍がトラ熊の鼻に刺さった。


どうやらバトンを槍にかえたみたいだ。


一瞬の間そして


トラ熊は叫び声をあげ体を直立させた。


「うお!やべ」


ニルは体が槍と一緒に持ち上げられたそうになる前にすぐ刺さった槍を引き


トラ熊から少し距離を取り追撃する体制にみがまえる。


しかしそのすきにトラ熊は鼻から血を吹き出しながら叫び


右方面の森に血を垂らしながらも木をなぎ倒しながら物凄い速さで逃げて行った。


俺はトラ熊の姿が完全に見えなくなった事を確認しニルの方行く。


ニルは槍に付いた血を眺めていた。


「驚かして追っ払うだけだったんだが…


まっいっか邪魔なあいつが悪い


つうことでささっと町に行こうぜ」


そう言うとニルは槍をバトンにもどすのであった。


足元に獣の血をおとしながら

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