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51話 家庭教師

 現在、光の九刻。

 家庭教師の先生が来る時間である。


 勉強場所は私の部屋だったり庭だったり、その日によって様々。

 でも先生は基本的に外が好きだ。

 特に森もどきのエリアがお気に入り。

 本来は王とその側近にのみ使用が許されている庭も、先生だけは例外。

 いつでも許可なしに立ち入ることができる。


 今日はお城の正面入り口で先生を待ち伏せすることにした。

 開口一番お願いをする為だ。

 門番の二人が私を見て目が落っこちそうなぐらい驚いていたけど気にしない。

 どうかここで待たせて欲しい。

 とてもじゃないが待ち切れないのだ。


「まだかな……」

 先生は転移魔法を使わず自分の足で正門からやって来る。

 あまり相性が良くないとかで、滅多に使わないそうだ。


 邪魔にならないよう端に避けてソラと二人で先生を待つ。

 そうして体感的に六分の一刻(十分)ぐらい経っただろうか。

 来る人来る人こっちを見てギョッとして行くものの、肝心の待ち人が来ない。


 ……こうして見ていると、みんな人間と変わらないな。

 悪魔とか角があるイメージだけど、普段から生やしている人はいない。

 鬼人と同じで、悪魔も戦闘モードにならないと顕現しない仕様だ。

 でも昔は鬼人も悪魔も生えっぱなしだったらしい。

 それだと生活する上で不便だから、長い年月を経てこう進化したと先生に習った。

 なんか色んな所に刺さりそうだしね……。


 ちなみに魔人だけは角を持たない。

 角は自分は強いのだとアピールする為の象徴で、魔人はそんなものが必要ないほど強いからだという説が有力なんだとか。

 これも先生に習ったこと。

 ……これだけ噂してるんだからそろそろ来てくれないかな?


 ソラの背を撫でながら門の先を見る。

 噂をすればなんとやら、というのを狙っていれば、ようやくこっちに向かって来る先生の姿が見えた。

 遠くても目立つからよく分かる。


 陽の光を浴びて反射する腰まである金髪。

 アラビアンテイストではあるが過度な露出はない独特な白い装束。

 翡翠の瞳が輝く精霊のような顔と引き締まった体躯は、男性でありながら一目見たら忘れないほどの美しさ。

 何より尖った長い耳が目を惹く。


 ――先生はエルフだ。


 私に気が付くと大きく手を振って破顔する。

「リリシアちゃんごめ~ん! ちょっと遅れちゃった~!」


 ただしオネエ、という注釈が付く人。


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